「いやー、昨晩、『熱が出た』と思ったら、あっという間に、40℃を超えちゃって、、、、『こりゃ、いよいよ危ないかも知れない』ってところで、熱が急激に下がり出して、、、、苦しさも“すぅー”と抜けてきて、身体が軽くなって、楽になって・・・。『もう安心かな?』って、改めて、体温を計ってみたら、何と、26℃・・・、ハハハ、死んでた・・・!」
「で、成仏できず、化けて、出てきてる訳だ・・・?」
「特に、未練なんて感じてないんだけど、、、、何でだろ?」
「体温が26℃だと、恐らく、未だ死んではいなかったんだ、、、、仮死状態に近かったんだろう。そもそも、死んでいたのなら、如何やって、体温を計ったんだ? 体温が30℃ぐらいまで下がると、意識障害が生ずるから、、、、屹度、その所為だろう?」
「死んでも無いのに、死んだと思い込んで、、、、慌てて、身体から跳び出して来ちゃった? あちゃー! そりゃあ、悔やんでも悔やみ切れないよ。当然、未練だって残るよ。・・・まあ、憶えてないんだけども・・・」
「今更、どうしようもない・・・」
「何で、あんたのところに・・・?」
「知らないよ」
「あんた、医者?」
「医者だからって、死人を生き返らせられる訳は無いだろうが」
「じゃあ、医者なんだな?」
「違う・・・、医学生だ、、、、った・・・。元・医学生だ」
「元・・・。何で、医者になろう、と思った?」
「関係ないだろうが!?」
「あんたのところに現れたのには、何かしら、理由が有るからだろ? それを探って、適切な対処をしなければ、多分、成仏できない、、、、好いけどね、俺は、このまま、ずっと付き纏い続けるのも・・・?」
「・・・・・・」
「あれか、、、、幼い頃、体が弱くて、通ってる病院で、凄く、良くして貰った先生に憧れて、みたいな感じか?」
「逆だ・・・」
「ん?」
「酷く、悪く扱われたんだ・・・。出す薬、施される治療、全て、効き目が見られなかったんで、匙を投げられた形だ。仕舞いには、『仮病だ』って言われたよ・・・。それでも、親が賢明に調べてくれて、『これだ・・・!』と思える、海外の症例報告を見つけてきてくれたんだ。ドイツにまで行って、治療を受けたら、、、、一ヶ月後には、元気になって、日本に帰って来れた・・・」
「つまり、日本の医療を憂いて、より良い方向へ導かんが為、自らが医師を志した、、、、ものの、挫折した訳だ?」
「・・・悪いかよ」
「荒んでんな・・・。まあ、好い、、、、取り敢えず、もう一度、医者を道を目指してくんない?」
「は?」
「理屈は分かんないよ、、、、分かんないけど、何と無く、嘘でも構わないから、そう思い立ってくれれば、成仏できそうな気がするなあ・・・」
「馬鹿馬鹿しい・・・」
「そういう態で、唯、宣言さえしてくれれば、、、、実際は好きにしてくれれば、良いよ、、、、屹度、この、停滞した状態は動き出す、と思うんだけど・・・?」
「ほんと、ウザいわ・・・。分かったよ、、、、改めて、大学に戻って、医者になる為の勉強を始めて、、、、実際、医者になってみせるさ・・・。これで、好いかよ?」
「おっ? “すぅー”と抜けてきた感じ・・・。何か、此の世から絶ち切れそうな、、、、清々しい気分だ・・・」
「何で・・・? 一寸、待ってくれ、、、、どういう事なんだよ!?」
「成仏しようとしているのに、それを引き止めるなんて、、、、無粋過ぎるって・・・」
「如何して、こうなるんだ? 教えてくれ、、、、それから成仏してくれ! 道理が不明なまま、放っとかれたんじゃ、堪らないって・・・!」
「分からない、って言ったろ? でも、俺が思うに、、、、あんたが医者になるのを諦めなければ、俺は、あんたに助けられる運命だったんじゃないのか?」
「・・・馬鹿な・・・」
「その通り、、、、だから、恨みなんか無いしね。でも、出来れば、本当に、医者になってくれよな、、、、本当に、そう思えるんだ・・・。さよなら・・・」
「行っちまった・・・? にしても、何て事を言い残すんだ・・・」
今回は、かなり荒唐無稽ですが、、、、一応、説明を述べさせて頂きますと・・・、<如何する事も叶わない以上、死者の未練とは、直接、死者の為のものでは無く、生きていれば、何らかの形に作用する筈の、結果、残されてしまった、その、誰かしらの行く末を(無意識にも)憂うが為に、霊を成しても、猶、運命が反映される、、、、このような展開が妥当で有り、且つ、理想なんじゃないか>と考えた次第で、着想致しました。
訳が解りませんか・・・? はい、、、、屹度、僕自身、後で読み返したら、同じ感想を抱くと思います・・・。