吉田(仮名)「これ? 髪が伸びる人形って・・・」
沢井(仮名)「そう、、、、一年前から比べると、二ミリ程、長くなってるんだ」
吉田「よく気付いたな、それ・・・。でも、人形の原材料で在る塩化ビニールの材質が固い場合、植毛した髪は広がり易いらしいから、単純に見間違えたんじゃないの?」
沢井「いや、ちゃんと測った結果だし・・・」
吉田「て事は、、、、お前、前以て、測ってた訳だな? 最初っから、伸びる事が前提じゃねぇかよ」
沢井「でも、事実、伸びた・・・」
吉田「知ってるか? 人形の髪に使われる材質は、日に当たると、伸びたりするらしいぞ」
沢井「日光に晒した事なんか、一度も無いよ」
吉田「監禁しているみたいに、、、、何か、変態っぽく聞こえるぞ」
沢井「失礼な事を言うな。これは、先祖代々に受け継がれてきた代物なんだぞ、、、、大切に保管しているだけだ。蔵の中に在ったのを見つけて、気に入ったんで、飾ってたんだが・・・」
吉田「ふーん。。。。どれ、、、、」
沢井「おい! お前、何しくさってんだよ!」
吉田「いや、、、、人形の髪を、一本、引き抜いただけだけど・・・?」
沢井「お前、人の話を聞いてないのか! 先祖代々の・・・!」
吉田「そういうけど、、、、一年前までは放ってあったんだろ? そもそも、大した代物じゃない、と思うぜ。それに、飾ってたんなら、直射日光には当たってないだけで、見たところ、窓からも、日は差し込んできてるし、、、、条件は整ってるよ」
沢井「髪の毛を引っこ抜く理由になるか!」
吉田「ああ、これは、、、、知っての通り、俺にとこの親父、最近、禿げ掛けてんじゃん? お守りとして、あげようかなって・・・」
沢井「お前、マジ、呪われるぞ・・・」
吉田「お前が、そう、思いたがってるだけじゃん。それに、髪の毛が本当に伸びてるんなら、一本ぐらい、如何って事ない、、、、って理屈だよ」
沢井「お前、信じても無い癖に、、、、お守りなんて、意味ないだろうが!」
吉田「お前こそ、信じてるんなら、、、、セコイ事、言うなよな」
後日談なんですが、、、、吉田君は、実際、人形の髪の毛を父親に渡したのですが、その甲斐も無く、見事にずるっぱげたそうです。しかも、当時より、二十年以上も経過していますので、遺伝の所為か、吉田君自身、禿げ掛けてます。それについて、沢井君は、「呪いだ」と言って、憚らないそうです。
え、人形の近況・・・? うーん、、、、ずるっぱげていたりすれば、一寸、面白いですが・・・。(悪意)