依頼者「玉〇〇みたいな顔にして欲しいんです」
医師 「厳密に言うと、不可能、、、、パーツごとの造形だけを真似る事は出来ても、そっくりにはならないんてすよ。大きく印象付ける、目、鼻、口を同じにしたところで、配置が違えば、全くの別人だ。それを如何にかしようとすれば、頭蓋骨からを交換する必要に迫られます。削ったり、接いだりして繕うのにも、限度が有るし、、、、技術的には可能だけれども、実際、脳を損傷させる危険が生じてしまうし、費用の面から考えても、現実的では無いでしょう」
依頼者「じゃあ、誰になら似せられるんです?」
医師 「うーん、、、、この骨格だと・・・、〇栗〇とか、かな?」
依頼者「好みじゃないけど、、、、じゃあ、それで、お願いします」
施術は行われた。
後日、顔中に巻かれた包帯を解く、儀式めいた、その瞬間が訪れる、、、、自分の顔を鏡で認めて、依頼者の第一声は、落胆と非難の入り混じる、明らかな不満だった。
依頼者「・・・〇栗〇にすらなってない・・・!」
医師 「死体の顔を見た事、有りますか?」
依頼者「は?」
医師 「死に方にも拠りますが、、、、あれこそ、完全なる無表情と言えます。味も素っ気も無い・・・、唯の凹凸に過ぎません」
依頼者「何が言いたいんです?」
医師 「仮令、玉〇〇と言えども、美形として認知されているのには、そのキャラクターに負うところが大きいのです。彼も、最初から、人気が有った訳では無い、、、、色々なステージで活躍して、徐々に好まれていく事で、あの顔に、価値が見出されたのです。実際、如何だかは分かりませんが、彼の内面を知る事に拠って、人々は、自信に裏打された、心を曝け出すかのようう表情に、圧倒的に魅了されるのでしょう。〇栗〇とて、それは同様なのです」
依頼者「つまり、性格が伴っていないから、〇栗〇に見えないんだと・・・?」
医師 「その通りです」
依頼者「でも、僕は、〇栗〇じゃない」
医師 「正に、それが真理です」
依頼者「幾ら、姿形を似せても、魂が異なれば、印象は変わる、、、、そういう事か・・・」
医師 「お解り頂けましたね?」
依頼者「ええ、、、、どんな顔でも、それを魅力的に映す努力が必要なのですね? 目から鱗が落ちましたよ」
医師 「貴方は、もう、以前の貴方では無い、、、、未だ途上ですが、変わり掛けているようです」
依頼者「ところで、、、、損害賠償の話し合いについては、いつ頃から始められますか? そちらのご都合をお聞きしておきたいんですが・・・?」
医師 「へ? えっと、、、、ご納得を頂けたものとばかり・・・?」
依頼者「ええ、お話は、大変、痛み入りましたよ。衝き動かされましたし、心が豊かになった感じです。今後の人生に於いて、貴重な教訓となりました。でも、結局、後付けでしょ? 施術前に言っておくべき事ですよ」
美容整形トラブルの実情を勝手に想像してみました。・・・絶対、違いますね。