或る家の縁側の下には、飼い犬を繋いでおく際に使っていた紐の切れ端が、外し忘れたのか、敢えて、そのままにしているのか、、、、今は残って、風に棚引いているだけだ。



普段、通り行く途に、何時も、では無いが、大抵、一匹の飼い犬が家の敷地から飛び出して、歩道に寝っ転がったり、辺りを練り歩いたりしていた。

迷惑といえば、迷惑なのだが、飼い主への文句を届ける程でも無く、まあ、誰もが見逃している現状だった。

或る日、特別に、気にも留めてなかったので、一体、何時の頃からかは定かでは無いが、その犬の歩行が覚束無い感じになっていたのだ。

動物の事には詳しくないので、よくは判らないが、どうやら、犬にしては、かなりの年寄りの部類らしく、寿命が近い様だった。

それでも、気持良さげに日光浴する有様や、楽しそうに散歩している様子を、頻繁に見掛けられた。

しかし、日ごとに衰弱している状態が見て取れた、、、、にも拘らず、移動半径は著しく狭まったものの、一帯をのそのそ歩く姿には、自らの習性に忠実なパーソナリティが知れて、微笑ましく思えた。

次第に、飼い主の手を借りなければ、出歩けない様にまで、足腰が衰えてしまっていた。

そして、到頭、その姿を目にする事は無くなったのだ。

どうなったのか、、、、亡くなったのなら、老衰だったのか、それとも、病気だったのか、細かい事が知りたくなった。こんな事なら、飼い主の人に訊ねていれば良かった、と思い、少し後悔した。ただ、それは余りに不仕付け過ぎるし、飼い主の気持を荒立てるような感じがしたので、、、、やはり、自制しておいて、正解だったかな、とも思う。




僕は、動物を飼った経験が少ないし、或る考えの下、今後も飼うつもりは無い。ああなってしまうと(随分、ざっくりとした、無神経な表現ですが、文章の構成上、又、自分の拙い修辞力に伴い、必要とされる出し方と思うので、お許しを・・・)、ペットなんて、やっぱり、めんどうだな、、、、と切り捨てて、悦に入り、(飼わない主義で有るところの)優越感に浸ってしまうところだけど、現時点に於いて、微かに、動物と触れ合いたい衝動が芽生えたかも知れない。