を触り続ける女」3年1組
鈴木ゆーすけ
もう何年も前の話になるのですが…
僕は埼玉方面から埼京線に乗り都内へと向かっていました。
電車はスキージャンプの態勢がキープできてしまうくらいの超満員でした。
僕の目の前にはマスクをした40代前半くらいの女性。ただ彼女の目は虚ろで少し怖い感じでした。
しばらく電車に揺られていると…
「ん?」
なにか気持ち悪い感触。
僕のオチンチ
が誰かに弄ばれている感じ。角度的にも動き的にも間違いないと確信し目の前の女性をキッと睨むと一切目をそらさずに虚ろな目で僕を見ていた。
…そう。チカンだ。
体の向きを変えようにも身動きがとれず…
その女性の触り方はどんどんと強引になってくる。
目を見ると…
「薬でもやってんじゃねーのか?」
って言いたくなる顔。
…なんか言って刺されたりしたらやだな。
とか考えてしまうとチキンボーイな僕はただただその恐怖に怯えながら我慢するしかなかった。
(後に「チカンされても怖くて声が出せない女の子の気持ちわかるわぁ~」と鈴木氏は語っている)
もう一駅!
あと一駅!
そう自分に言い聞かせゆっくりと目を閉じた。
実際は10分程度。
僕の体内時計は2時間くらいはあっただろう。
「新宿~新宿~」
着いた!
ドアが開くと同時に振り返ることなく人並みをかき分け飛び出した。
乗り換える為の中央線ホームまでスピードを緩めることなく全力少年。
ホームには丁度電車もきていた!迷わず駆け込みセーフ。
呼吸を整えながらさっきまでの恐怖を忘れようとゆっくり振り返った。
そこには息一つ乱れていないマスクをした女性が立っていた。
僕は言葉も出ず…ただ茫然とその女性を見つめていた。
満員ではなく距離も少しあった為かハッと我に返り目的地ではない次の駅で電車を飛び降りた。
その女性もゆっくり電車を降りた。
「今だっ!」
声に出して言ったかどうか覚えてはいないが閉まるドアの間にスルリと入り込みまた電車に乗った。
閉まるドア。
発車する電車。
ドア越しに…
ゆっくりと動きだす僕を睨みながら目で追い続ける女性。
…これは終わりではなく何かの始まりなのかもしれない。
今日の


…実話
