飲食業界・サバイバル vol.12
- 真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか/ヤン カールソン
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真実の瞬間
一昔まえ、有名になったこの本です。サービスの評価は最初の15秒で決まる、もっといえばCP、コンタクトパーソネルの第一印象で決まってしまうのです。一読の価値ありです。
さて、この本はサービスの「真実の瞬間」について書かれてますが、調理に真実の瞬間はあるのでしょうか?
私は、サービス、調理、に限らず、物事には必ず真実の瞬間があると考えています。
最も集中する数秒間は時間が止まる、のです。
野球選手は絶好調時ボールが止まって見えるといいます。(神様・川上哲治談)
また、交通事故にあって体が車に跳ね飛ばされた時、空中では全てがスローモーションになる、といいます。
サッカーでも、シュートする瞬間はボールに集中して時間が止まるはずです(私はサッカーはそんなに詳しくないのですが)
つまり、集中力が極度に高まると時間の進み方が遅くなる、かつ風景はモノクロになるらしいです。
(脳の情報処理のなかでカラー処理を捨ててその代わり時間に関する膨大な情報処理をするので、風景はモノクロになり時間の進み方は遅くなるらしい)
調理も一緒です。流れ作業的に作るのも効率良さそうですが、工程工程に真実の瞬間があります。ここは集中しましょう。何か料理に間が抜けた印象があるとしたら、それは料理に緊張感が現れていないからです。
全てに丁寧すぎて段取り悪いのが「手が遅い」料理人です。
くってみりゃ美味い見た目が汚いのは「センスのない」料理人です。
何作ってもしょっぱかったり脂っぽかったりするのは「腕の悪い」料理人です。
エクセレントな料理人は
1.腕がいい
2.センスがいい
3.段取りがいい
なのです。そしてこの3つの切り口のツボを分かっているのです。ツボ=真実の瞬間なのです。
料理をみて、料理人の仕事ぶりを見抜いて、料理人に適切な指示をしましょう。以上はあくまでも料理人としては、です。(その料理人がマネジメントできるかどうかはわかりません)
マネジメントの立場にある方は、そんな視点で料理人に接してみましょう。
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