p57 回転寿司の入り口のドアを押すと、

厨房の奥から威勢のいい元気な声で、


「いらっしゃいませ!」

「しゃいませ!」

「しあわせ?」


「え?」

たしかに三つめはそう聞こえたのです。


腕の中でスヤスヤ寝息をたてる息子の横顔を思わず眺めながら、

「しあわせかな。」

そうつぶやいたのでした。


それ以来、

うちのパン屋の店先で、

小さな子供連れのお客さんを見つけるたびに、


パイローラーのフットスイッチを踏みながら、

「しぁ~わせぇ~?」


そう僕が叫んでいることに、きっと誰も気づいてないと思う。


こんなイタズラならたぶん、

神様もバチなんか当てないよね、きっと。


世界に平和を。

おやすみなさい。 ぱん衛門