厨房の奥から威勢のいい元気な声で、
「いらっしゃいませ!」
「しゃいませ!」
「しあわせ?」
「え?」
たしかに三つめはそう聞こえたのです。
腕の中でスヤスヤ寝息をたてる息子の横顔を思わず眺めながら、
「しあわせかな。」
そうつぶやいたのでした。
それ以来、
うちのパン屋の店先で、
小さな子供連れのお客さんを見つけるたびに、
パイローラーのフットスイッチを踏みながら、
「しぁ~わせぇ~?」
そう僕が叫んでいることに、きっと誰も気づいてないと思う。
こんなイタズラならたぶん、
神様もバチなんか当てないよね、きっと。
世界に平和を。
おやすみなさい。 ぱん衛門
