p48 お客様の中に、パン教室の先生が何人かいらっしゃいます。


そのうちのお一人が、

「いろいろ食べさせていただいたけど、

この店はさ、

あっちこっちのパン屋さんを食べ歩いた「パン好き」が、最後にたどりつくようなお店ね。」


「そうですか?」


「「パン好き」って人種はね、自分でも気付かぬうちに「評論家」みたいなつもりになっちゃっててね、

あらゆる情報に振り回されて、『評判の店』や『話題の店』、『トレンドの食材』なんかを次から次へと追っかけてるうちに、みーんなおんなじ方を向いちゃっててね、ホント言うと、何が美味しいんだか、どこを評価してるんだか、わけがわかんなくなっちゃう。

ここのパン食べてるうちにね、

『ああ、私はもともとパンそのものが好きだったんだわよねえ。

パン作りだって、

美味しいパンを自分で焼けるようになれたらいいな,

毎朝、家族が安心して食べられるパンがあるといいな、って始めたんだったわ』

って、そんなこと思っちゃった。

最近じゃ、パンを教える生徒さんに、

『パン作りの楽しさは教えますが、プロにしかできない美味しいパンが食べたいときは、ここへ行ってみなさい』

ってたくさん紹介してあげてんだから、感謝しなさい!」


「ありがとうございます。

ただ、ウチとしては、

『たどり着く』のは最後じゃなくて、最初でもいいんですけどね・・・。」


「それもそうね。アハハハハ。」


誠に、ありがたいお言葉なのでした。感謝。合掌。 パン衛門