その一部がわずかでも茶色ければ、
「あ、焦げてる。」
それが、日本人の、加熱した食品の色に対する捉え方の基準だと感じます。
パンで育った欧米の友人たちは異口同音に、
「パンはね、焦げる寸前ぐらいが一番おいしいんだよ。」
そう言います。私もそう思っています。
我々日本のパン屋の商い。
「一部の例外(札幌など)を除いて、都会ではしっかり焼いても売れるけど、地方へ行くほどよく焼いたものは売れない。」
そう言われ続けてきました。
さて、ここ静岡で開業することになった私の店。どうしましょうか?
自分の感じる美味しさを基準に、みーんなしっかり焼いちゃうことにしました!
このあたりでは一番焼いているパン屋かもしれません。「黒いパン」と呼ばれることもあります。その「まるで焦げている色」に閉口して、二度と寄りつかない年輩のお客様もあります。地域の嗜好に合わせた商売をすれば、もっと売れるのかもしれません。
でもね、
でもね、
そんな「黒いパン」を、
「どこよりもおいしい。」
そう言って下さるお客様もいます。そんなお客様のおかげでうちの店は成り立っています。
だって、パンを買う用のある人以外の通行人が、せいぜい一日に3人ほどしかない道路に面した店なんですから。 パン衛門
