パンの大きさをそろえるために、一次発酵後のパン生地を上皿天秤のはかりを使って、一定の重さに切り分ける作業を、『分割』と呼んでいます。
パン屋2年生のSさん、
「分割の仕事が全然早くならないんです。どうしたらいいんでしょう?」
さっそく、40gの生地を10個、一度も修正することなく分割するところを見てもらいました。
思わず目を丸くしています。
「あなたの仕事とどう違うでしょうか?」
「経験。」
「いいえ、違います。」
分割の作業は、
右手のスケッパ(生地を切るための金属製の道具)で切り分けた生地を、左手ではかりの上に乗せ、正しくなければ作業台にもどすか、生地を追加する。
その作業の早さは、左手が作業台とはかりを往復する回数をいかに少なくするか、次第です。
ポイントは、「最初にいかに正確に切り分けるか」
これを身につける方法があります。
分割の作業の捉え方を変えましょう。
『分割』は、
「はかりで量るのではなく、左手で量ってはかりで確かめる」
そういう作業なのだと考えることです。
「はかりで量る分割」では、はかりを見つめる目に集中。
「左手で量る分割」では、重さを感じる左手、切り分ける位置を決める右手にも集中しなければいけません。かつ、動きのスピードは落とさずに。
左手が、明らかに重い、もしくは軽いと感じたら、はかりには乗せない。
極度の集中に、最初はものすごく頭が疲れます。でもすぐに慣れる。
2ヶ月もすれば、10個中6、7個は手直ししなくてもよくなるはずです。もうみんなと変わらない。
半年もすれば、職場の中で、誰よりも早くなっていることでしょう。
ここ静岡でも、いろいろなお店の若い人たちが、自分のパンを持って遊びに来てくれるようになりました。自宅でパンをお作りになる熱心な素人さんたちも。
「いろいろ悩んで自分なりに考えてやってはみたんですがうまくいきません。見て下さい。」
うれしい限りです。
3度のパンよりパン作りの話が好きな私、ついつい夢中になって時間のたつのも忘れて話し込んでしまいます。 パン衛門