gf  お店を始めたばかりの若いパン屋さんが、夫婦で店を訪ねてくれました。そのお礼も兼ねて、彼に手紙を書きました。


「あなたのお店の商品全アイテムを、陳列台もしくは陳列トレイから販売トレイに、実際にあなた自身がトングを使って取ってみたことはありますか?

丸や正方形に近い成型の製品は、さほど苦もなく取ることが出来ます。
でも、長方形のもの、棒状のもの、楕円のものなどは、並べ方によってとても厄介です。
手首を無理な角度に曲げなければならなかったり、上からおそるおそる中心あたりを挟まなければならなかったり。
取りづらさのために、落としたり、裏返しにひっくり返してしまったりします。
こんなことが3回も続けば、もうお客さんはストレスでいっぱいでしょうね。
どんなにパンが美味しくても、ばつが悪くて、また買い物に来るのはちょっとはばか
られるでしょう。

長さのあるものは、トレイに並べる際、右下がり(右側が自分に近くなる向き)が基
本です。
圧倒的に右利きが多い日本では、そうすることを常に心がけるだけで、
①お店のゴールデンタイムやセールなどの繁忙時、客の回転がよくなる。
②緊張を強いられる要素を減らすことで、ストレスを感じない居心地の良い店の印象
を創造できる。(コストをかけずに)
③取り損ないによる製品ロスをなくせる。

明日、さっそくスタッフ全員で「お買い物ごっこ」してみませんか?感じるままに話
し合ってみましょう。
経験を共有することで、習慣づけは一日もあれば可能です。」


パン屋はこんなことも考えます。 パン衛門