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ケーキ屋の友人と酒の席。


カスタードクリームの話になりました。


「おまえんとこのクリームパン 美味いよなあ。あれなんか入ってんの?」


「生クリーム入れてるわけでもないし、特別何も入れてないよ。」


「味にけっこうインパクトあるんだよなあ。」


「ちゃんと甘いってだけだよ。牛乳1本(1000cc)に砂糖300g。」


「さんびゃくう!???」


「あんたたちが、『甘さひかえめとってもヘルシー』なんてこと始めて、なんでも砂糖減らしちゃうまではみんなこれくらいだったんだよ。パン屋もいつのまにかずいぶん減らしてる。」


「なんでおまえは減らさなかったの。」


「ああ。卵の生臭さや牛乳の乳臭さを抑えて、うまみを際だたせて、パンと一緒に口に入れるとちょうどいい甘さ。300って絶妙な量だとずっと思ってるから減らしてない。俺、クリームパン 好きだしさ。ちっともヘルシーじゃないかもしれないけど、うちはそれでいい。」

「バニラビーンズも使ってないんだろ?黒いつぶつぶなかったもんなあ。」


「バニラの香りは実じゃなくてサヤにあること知ってるヤツはあんなもの入れないよ。サヤごと牛乳に入れて煮出すだけ。色も美観も損ねるし、口に残るし。実際、うちの4才の娘はアイスクリームのあれ見て、『ゴミ入ってる。』って言った。」


「でも入れたほうが本物っぽいじゃん。」


「本物っぽくなくてもいいよ。たしかに商売考えれば、バニラビーンズ使ってることをアピールすることは有効かもしれないけど、つぶつぶ残して美味しくなるわけでもないからさ。みんながそんなことするようになってきたから、そのうちバニラの実に見えるような物を混ぜちゃうヤツでてくるんじゃないの。」  ぱん衛門