ぱね便り(旧:V町便り)

ぱね便り(旧:V町便り)

スウェーデン暮らし12年目。おかしいな、いつの間にそんな時間が経ったのだ?と、毎年同じことを考えています。

ついに決勝を残すのみとなった甲子園(もちろん高校野球の話)。今年はS高は関係なかったけど、静岡代表の掛川西をはじめとして、栃木県代表の石橋高校、そしてなんとベスト8まで残った島根県代表の大社高校の大活躍に、本当に胸が躍りました。当然ですが、この大社高校の大活躍は、「どうして島根県の県立高校の野球部にここまでできるんだ?どうしてS高に・・」というのがぱね的にはほんとーに(しかしこれは以下略orz

大社高校チームの大黒柱であったエースは、馬庭くんという苗字。出雲地方にはよくある苗字だというのですが、

実はぱね、この苗字にはすでになじみがありました。なぜなら、中学時代の同級生に馬庭くんという子がいたからなのだ。場所は福島市。出雲からは遠く離れた地方です。そもそも「馬庭」が出雲に多い苗字だということすら知らなかったぱねであるが、そういえば「馬庭」姓の同級生は、福島市で過ごした小学・高校時代を通して、彼しかいなかったことを考えると、もしかしたら彼のご先祖は、元々は島根の方から東北にやってきた一族だったのかもしれません。

で、ぱねは、今回の大社高校の試合は、全て「バーチャル高校野球」のライブ配信(見逃し動画)で見ていたので気がつかなかったのですが、NHKの中継では、アナウンサーがこの「馬庭」を発音する際のアクセントが、

ハニワ

風になっていたとのこと。それを聞いて、出雲市役所の職員がTwitterアカウントで「出雲弁の発音でいけば、これは『ハニワ』ではなく『サウナ』のアクセントになる」という主旨の発言をした、という書き込みが、私のタイムラインにも流れてきていました。

それを読んで、

「え?私たち(福島市における『馬庭くん』の同級生、先生方、つまり関係者全員)は、『サウナ』風のアクセントだったよ?」

と、びっくりしたぱね。

つまり、「馬庭」のアクセントは、福島市内では出雲弁と同じだったのです。

福島市、というか、福島市を含む福島県全体は、いわゆる「無アクセント地帯」と呼ばれています。

 

 

ぱねが「無アクセント地帯」があるということを知ったのは大人になってからの話ですが、ウィキ先生のこの「無アクセント地帯」を見ると、東北南部・関東北部の他に、九州の一部のかなりの地域がこれに当てはまることがわかります。関東北部のイントネーションが福島に似てるのは知っていましたが、熊本・宮崎の人のイントネーションも「福島に似てる」と感じることが多いのは、このせいなのですな。おもしろーい。

ぱねは元々福島の人間ではないので福島弁ネイティブではないのですが、「無アクセント地帯」で子供時代を過ごしたため、「アクセント」に関しては確かにめちゃくちゃです。アクセントがある地域で育った人たちは、「橋」「箸」「端」のアクセントをきちんと区別できるらしいですが(本当なのかー?)ぱねは全くダメ。「生協」と「盛況」も同じです。どーすれば区別できるのだ?全く謎だ。

というわけで、「アクセントに関しては全くダメ」を自認している無アクセント地帯出身のぱねは、「馬庭」のアクセントが「NHKではなくて出雲弁と同じ=オリジナルアクセントと同じ」であったことに、なんというか喜び(??)を感じたのである! :-D
 
・・・まあ、考えてみれば、無アクセント地帯の人間は、どの単語だろうが多分行き当たりばったり(?)のアクセントでしか発音しないので、「馬庭」に関してはそのアクセントの付け方が出雲弁オリジナルとたまたま同じであった、ということなのでしょうな。:-) でも、なんかおもしろいなー、と思ったのだ。高校野球は地理の勉強には最適(昔からのチチの持論)ですが、言語学的にもおもしろい要素をたくさん含んでいるのよねー。あははー。