ぱね便り(旧:V町便り)

ぱね便り(旧:V町便り)

スウェーデン暮らし13年目に入りました。引っ越した頃はまだ40代だったはずだが・・いつの間にか還暦が目前です。いったいいつの間に?

日本国外に住み、日本での選挙権を有している日本国籍者が世界で合計いったいどれくらいいるのか、ぱねは正確には知らないのだが、スエにはだいたい2,000~3,000人くらいの日本国籍者が在留しているらしい。そのうち、かなりの数が首都ストックホルム周辺に暮らしているのだと想像されるが、もちろんそうでない人もいます。ぱねみたいにね。B集落のある地方は、ストックホルムからおよそ400kmほど離れています。

400kmというのは、日本で言えば東京~名古屋プラスα、です。つまり新幹線なら1時間半で行けるから、日帰りも簡単。

でも、スエには新幹線などありません。おまけに鉄道がそもそもアレです。だからぱねは、ストックホルムにやむをえず出かける用事がある場合、普通は1泊2日で出かけます。さらに、「今度の週末はストックホルムで過ごそう!」などという贅沢は、まずしません。

なぜならば。

スエの鉄道料金(県の交通局がやってるローカル線ではなくて、幹線を走ってるスエ国鉄SJの全席指定特急列車を利用する場合)は、定額制ではないからです。

そうではなくて、「料金は、早く予約すればするほど安い/あまり利用者がいない時間帯だと安くなる」という仕組みになっとるのです。

つまり、「今度の週末に・・」など、「直前」にチケットを買うと、高くなるのですな。だから、ストックホルム行きは、ぱねにとっては「遅くとも1ヶ月前くらいには予定を立てる」ものなのです・・・

・・・普通はね。

しかし先週の金曜日、1月23日。

ぱねはカンカンに怒りながら、ほぼ1週間後、1月29日(木)のストックホルム行き特急を往復で予約した。家を出るのは朝6時前。そして、家に帰ってくるのは夜の8時前。ストックホルム日帰りの強行軍を実行するためである。ちなみに、ストックホルム日帰りという、ぱね的には無謀なことをやるのは、スエに暮らすようになってから今回が初めてのことである。

理由は在外投票。

日本で国政選挙があるとき、海外に暮らす日本国籍者は、「郵便投票」か「在外公館での投票」を選んで投票することができる。が、今回のこのトンデモ総選挙にあたっては、「郵便投票」は問題外。なぜなら、そもそも郵便投票をする際には、

日本の自分の所属する選挙区(日本に住んでいたときに最後に住民票があったところ)の選挙管理委員会に「投票用紙を送ってくれ、と郵便で請求する」ことから始めねばならないから。

そして、日本の選挙管理委員会から投票用紙が郵便で送られてきたら、それに記入して、再び日本に郵便で送り返すのです。それが有効票と認められるためには、日本での投票日の午後8時までに、投票所にその記入済み投票用紙が届かねばなりません。

今回のこの異常な短期間で、そんなことがスエ(ヨーロッパ)~日本の間でできるわけがない。

(期間に余裕があれば、スエ~日本であれば、なんとかなるとは思う。実際にぱねもやったことがあるし。ただね、郵便事情がトンデモな国は、世界にはいくらでもあるんですぜ?

だから残るは、在外公館に出向いての投票しかないのです。それも、ストックホルムの日本大使館での投票期間は、1月28日(水)から1月31日(土)までの、たった4日間。

それでもぱねは、往復およそ3万円かけて(現在の異常な円安と、直前予約であるために料金が高くなっていることによるダブルパンチ)、日帰りという強行軍を怒りにまかせてやることができるのですが、「鉄道でのストックホルム日帰り」は、ぱねの住んでいる地方くらいが「時間と体力の限界」だと思う。そもそも、幹線を走る特急にしても、日本の新幹線のように1時間に何本も出ているわけではないのです。1時間に1本しか走ってません。そして終電はストックホルム発19時くらい。とても早いのですorz。飛行機を使える人はまた別かもしれないけど、国内便のチケット代は恐ろしく高い上に、そもそも地方空港の近くに住んでいる人などそれほどいないはず。

つまり、今回のこのトンデモ総選挙、スエ国内で、ストックホルム周辺地域に住んでいる以外の日本国籍者は、投票を断念せざるを得ない人が多いはずです。

そしてこれ、スエだけの話じゃない。今、世界中で暮らす全ての日本国籍者に起きているのです。

日本国内でも、季節が季節であるために(真冬、豪雪地帯の人たちはそもそも投票に行くのが大変、受験シーズン、受験生は投票ところじゃないetcetc)腹を立てている人は多いのではないかと思うのだが、

髪の毛を逆立てて激怒しつつ(でも、あんまり怒ると血圧によくないから怒りたくないのよほんとは)、ぱねが改めて確認するのは、

日本では、選挙権が重要視されていない

ということ。

日本でも憲法上、「国民主権」が定められていて、つまり国の政治のあり方を決めるのは政治家ではなくて主権者である国民であることになっています。そして、その国のあり方を決めるために国民が有しているのが参政権。つまり政治に参加する権利で、その一つが選挙権。

だから、国民が選挙権を行使できる環境を整えることは、民主主義体制を支えるための当然の前提であるはずなのだ。

でも、在外日本国籍者の選挙権がここまでないがしろにされているのを見ると、そもそも、そういう前提が日本にはないんだとしか思えない。当然ながら、衆院を解散した張本人の頭の中にも、そんな考えはもちろん微塵も存在しない。「日本にいない人」は、どうでもいいのですな。でもね、日本国籍を持っている限り、世界のどこにいようが、その人は日本国内にいる日本国籍者と同じ「国政レベルでの選挙権」を持っているんですよ。その「選挙権」は、日本を民主主義国家として機能させたいのなら、日本国内にいようが外国にいようが、全く関係なく尊重されなければならないもののはずなんですよ。

・・・「はず」なんですがね。

そうじゃないんだな、という、あからさまな現実の前に、ただただ脳みそが沸騰するぱね。

あまりに健康に悪いので、木曜日の強行軍が鉄道の側面からうまく行くことだけを願うことにしようと思います。

1. 車両も信号もポイントもモーターも電線も線路も空調も電気系統も・・・どうか何も壊れませんように(祈)
2. 大使館での投票時間内にストックホルムにちゃんと着きますように(祈)
3. 本当にその日のうちに帰宅することができますように(祈)


帰ってくることができなかったら、またもやスエ国鉄に対する恨みを爆発させるために長い日記を書くと思います。どうぞお楽しみにorz。