新年会が不発に終わり、途方にくれていたとある休日。

ふいにA氏と話がしたくなった。

だがしかし、連絡をとる術がないのだ。

それは当然である。同じ部署でもないA氏のLINEを、新年会すら不発に終わる不甲斐ない私なのだから、およそ知るはずもない。

私はまた恋愛指南書を検索した。

職場の好きな人からLINEを聞く方法。

①飲み会の幹事をする
②個人的に相談がある
③仕事の話をしたい

大体指南書ではこの辺りであった。

①はすでに不可能で、②ほど仲が良いわけでもない。となれば③である。しかし、ハードルは決して低くない。

とにかく断られたら諦めるという覚悟を決めて作戦を考える。

私の職場は休みの日も当番なるものがある。
当番の振替を当然とるのであるが、その時連絡がとれないとすぐに確認したいことがある場合に困ると。実際に困ることなどなく、かなり無茶な理論武装をしてA氏の前に立ちふさがった。

しかし、どうだろう。
思っていたよりあっさり交換してもらえたのである。

無茶な理論武装が通ったのか、LINE交換ぐらい何にも思わないのか。

かくしてLINEを交換してその日の帰りに一発目を送った。
内容はこれまで連絡先交換するのに人生で一番緊張したこと。これからもよろしく的なことである。

返事はそんなに緊張することはないこと。気軽にLINEしてくれたらいいとのことであった。

ここまではカミカゼが吹いてるかの如く、破竹の勢いであったが、このLINE交換が私を苦しめることになる。