↓ NATIONAL GEOGRAPHIC日本版サイト より
ロシアのシベリアにある氷河期の永久凍土層から、凍った状態の
ホラアナライオンの子どもが複数体発見された。
これほどの保存状態で発見されたのは、同種としては初めて。
公開された写真からわかるように、発見されたホラアナライオンのうち
少なくとも1頭は、毛皮までそのまま保存されていた。
このサンプルは、少なくとも1万年以上この状態だったことになる。
(参考記事:「アイスマンを解凍せよ」)
「私の知る範囲では、先史時代のネコ科の動物がこのレベルの保存
状態で発見されたことはありません。つまり、これは本当に驚くべき
発見です」と言うのは、ネコ科の化石を専門とする米デモイン大学の
ジュリー・ミーチェン氏だ。
ホラアナライオンは、1810年に初めて文献に登場して以来、ユーラシ
ア大陸や北米大陸でその痕跡が見つかっている。
しかし、これまでに発見された化石は、骨と足跡に限られていた。
(参考記事:「初期人類はホラアナライオンを狩っていた?」)
科学者らは、発見の詳細については口をつぐんでいる。
ロシアのサハ共和国科学アカデミーの古生物学者アルバート・
プロトポーポフ氏は、11月17日に予定されている記者会見で初期
所見を発表するため、今は質問に答えないとしている。
同じ記者会見の場で、同地域でのもうひとつの大発見である「ユカ」
(ケナガマンモス)についても取り上げるという。
(参考記事:「シベリア マンモスの牙を探せ」、「冷凍マンモス
「リューバ」解剖」)
それでも、インターネットはホラアナライオンの話題で持ちきりだ。
氷河期の子ライオンの写真は、ネコ科の愛好家と古生物学者の双方
をにぎわせている。
ミーチェン氏は言う。「初めて見たときは信じられませんでしたが、
どうやら真実のようだとわかったときは、畏敬の念を抱きました」
↓ PREHISTORIC FAUNA より 大きさの比較
右から現生種のライオン、ユーラシアホラアナライオン、アメリカ
ライオン(絶滅種)
ホラアナライオンは、現在のライオン(Panthera leo)の亜種である。
ゴツゴツした洞窟だけでなく広い草原でも行動していたため、ステップ
ライオンの別名を持つ。
今回の発見の重要性は見た目だけにとどまらない。
科学者は、「これらの幼獣の死因に関する情報や寄生虫保有量を知る
ことができるはず」とミーチェン氏は言う。
さらには、胃の中に母乳が残っていれば、親ライオンが何を食べて
いたのかを知ることができるかもしれない。
今回の発見は、それほど古くない極寒の世界への新たな窓を開いた
のである。
(参考記事:「古代エジプト ミイラになった動物たち」)
ホラアナライオン(ユーラシアホラアナライオン)
・・・哺乳綱食肉(ネコ)目ネコ科ヒョウ属ライオン亜種
別名:ドウクツライオン、ステップライオン
体長:約210~220㎝、体高:約120㎝、体重:約160~300㎏
更新世後期(約34万年前~約1万2千年前)のユーラシア大陸
に生息
現生種のライオンよりは大型で、たてがみを持たなかったと
考えられています(これを理由にライオンとは別種とする説も)。
同じくライオン亜種としてヨーロッパホラアナライオンがいます。
↓ Wikipedia より(以下3点) 頭骨化石
↓ 全身骨格(一部復元)
↓ フランスのショーヴェ洞窟壁画に描かれたホラアナライオン。
約3万2千年前に描かれた人類最古の絵画。
確かにこれは、驚愕の発見ですね!! (;゚∀゚)=3ムッハー
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