↓ Yahoo!ニュース(2014.11.18) より
チョウやガの研究者で構成する日本鱗(りん)翅(し)学会の東北地区自然保護
委員長で弘前市在住の工藤忠さん(57)と長男の誠也さん(26)=弘前大学大学院
=が約20年前に岩木山で採集したガが新種であることが分かり、10月に発行
された日本蛾類学会の学会誌「TINEA」(英文)に掲載され世界に紹介された。
工藤さんは新種を「ミチノクスカシバ」と命名。
専門家は新種発見を「大きな驚き」と話している。
ミチノクスカシバは、スカシバガ科の一種。
日中に飛ぶガで、見た目がハチに似ているのが特徴。
羽を広げたとき(羽の差し渡し)の長さは22~30ミリ。
今回、新種の決め手となったのは交尾器の形で、通常は棒状だが、ミチノク
スカシバは、先端が二手に分かれている。
工藤さんが、この新種を発見したのは20年ほど前。
「岩木山でチョウの写真を撮っているときに見つけていた」という。
当時はスカシバガの研究が一般的ではなく「ハチではないけど、何の仲間かな、
とは思っていた」。
研究を進め、親子で県内各地でも採集したが、新種かどうかの判断は、ずっと
悩んできたという。
転機は今年2月。
青森市で開かれた、ガの研究者の集まり「みちのく会」に出席した際、日本蛾類
学会の岸田泰則会長=都内在住=に相談。
その後、2009~11年に採集した複数の標本を岸田氏に手渡し、解剖などを依頼。
新種であることが判明し、岸田氏を筆頭筆者として、工藤さん親子との連名で
学会誌に掲載されることになった。
新種の命名権を岸田氏から委ねられた工藤さんは、岩手県など北東北でも確認
されていることや、転機となった「みちのく会」に謝意を示す意味で「ミチノクスカシ
バ」と名付けた。
岸田氏は本紙取材に「現在、日本の本土域に生息するガ類は微小なものを
除き、ほとんど判明している。東北地方で未知の新種が発見されたことは大きな
驚き。地道に観察などを続けた工藤さん親子の活躍は素晴らしい」と賛辞を贈っ
た。
スカシバガ科の一部は深刻な果樹害虫であることが確認されている。
ただ、ミチノクスカシバの場合、近縁種がブドウ類を加害することが知られている
が、現時点で人が栽培したブドウ類などへの被害は確認されていない。
工藤さんは「今後の調査になってくると思うが、被害がないのであれば、それに
こしたことはない」と話した。
ミチノクスカシバ(学名:Nokona michinoku)
・・・昆虫綱鱗翅(チョウ)目スカシバガ科Nokona属
開張:22~30㎜
ブドウスカシバに近縁ですが、本種の方がやや小さく、交尾器の形状に
特徴が有ります。
成虫の翅に鱗粉が無く、透明な部分が有る「透かし羽」が名前の由来。
幼虫はブドウ類などのツル植物の茎に穿孔して、内部で越冬し、穴から
這い出した蛹から羽化します。
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