止まらない宗教間対立で崩壊寸前の中央アフリカ共和国 | パンデモニウム

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日々の気になるコト・モノを万魔のごとく脈絡なく取り上げていきます

※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

 ↓ ナショナルジオグラフィック公式日本語サイト より

 

中央アフリカ共和国に、再び暴力の火の手が上がっている。

この数カ月で数千人が命を奪われ、人口の20%にあたる100万人近くが住む場所

を失った。

 

紛争が再燃したのは2012年12月。

国際人権保護団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によれば、イスラム教徒を中心と

する反政府民兵組織の連合体「セレカ」と、キリスト教徒の民兵「アンチ・バラカ」

が報復を繰り返し、数千人もの死者が出ているという。

 

 ↓ AFP(2014.2.6) より  記事の最後で触れられている、「セレカ(Seleka)」の

  元戦闘員とみられる男性をリンチするFACAの兵士たち(以下2点)


中央アフリカでのリンチ01
 

 

 ↓ この後、バラバラにされ、火をつけられたそうです・・・


中央アフリカでのリンチ02


2013年3月を境に暴力はエスカレート。

寄り合い所帯のセレカが首都を制圧、キリスト教徒のフランソワ・ボジゼ

(Francois Bozize)大統領を亡命に追い込んだ。

中央アフリカでは、人口の50%がプロテスタント・カトリックで、イスラム教徒は

15%と少数派だ。

ボジゼ氏の後釜に座ったのは、中央アフリカ初のイスラム教徒の大統領ミシェル・

ジョトディア(Michel Djotodia)氏。

しかしその後、賃金未払いなど不満が募ったセレカに離反が相次ぎ、同年9月に

ジョトディア氏は解散を宣言する。

混乱収拾には至らず今年の1月10日、収まらない宗教間対立に対する国際的な

圧力を受けて辞任した。

後任には、中央アフリカ初の女性大統領、カトリーヌ・サンバパンザ(Catherine

Samba-Panza)氏が就任。

首都バンギの元市長でキリスト教徒だが、イスラム教徒からも支持を得られる

超党派と期待されている。

議会選出の後、さっそく双方に平和を呼び掛けたサンバパンザ氏だが、暴力の

応酬はいまだ続いているという。

ナショナル ジオグラフィックの寄稿者で、数カ月にわたって中央アフリカの危機を

記録しているイギリスの報道写真家、マーカス・ブリーズデール(Marcus

Bleasdale)氏に話を聞いた。

◆ここ数日の様子はどうですか?

恐怖としか言いようがありません。

実質的な国の体制は崩壊寸前です。

私がアフリカ各地で目撃した中でも最も恐ろしく残忍な方法で、毎日のように隣人

同士が命を奪い合っています。

リンチや暴徒による襲撃も頻発し、腕を切り落としたり、タイヤを首に掛けさせ

ガソリンをかぶせて火を付けるのです。

タイヤネックレス(Necklacing)という蛮行で、まるで1990年の南アフリカのよう

です。

今日だけでも、命の危険を感じたイスラム教徒1万人が、バンギや周辺の町から

北の隣国チャドに逃げ込んでいます。

切り刻まれたり、路上で暴徒に襲われるといった残虐行為が絶えないからです。

地域や家、モスクは略奪や放火に遭い、避難するしかない状況です。

 

 ↓ FIRST LIGHT FORUM より  何れも南アフリカで行われたものです


タイヤネックレス01
 

 

 ↓ iOL news より


タイヤネックレス02



◆暴力の発端は何ですか?

暴力と憎悪の原因は、数カ月に及んだイスラム教徒の連合体セレカによる統治

です。

率直に言って、キリスト教徒に対する仕打ちは恐ろしいものでした。

私は、セレカによる暴虐を1年を通じて取材したのでよく知っています。

多くのキリスト教徒がバンギを去り、数千人が茂みに身をひそめ、10万人以上が

空港の難民キャンプに逃げ込みました。

昨年3月以降の中央アフリカは地獄そのものでした。

◆フランス兵1600人とアフリカ連合の兵士4000人が現地の平和維持に尽力して

いますが、どれくらいの効果が出ていますか?

彼らの派遣は歓迎すべきですが、とても現実に対処できる人数ではありません。

実に勇敢な仕事ぶりとは言え、この国はフランスより大きいのです。

周辺の町は言うまでもなく、バンギの統制すら追いついていません。

今日も車を運転していると、酷いリンチを受けた遺体が道路に横たわっていま

した。

同じような光景を今日だけで7度も目にしています。

◆状況は悪化しているのですか?

国際社会や政治家は否定しますが、私の16年間の取材中、最も暴力と憎しみに

満ちていることは確かです。

昨日、3万人以上のイスラム教徒が暮らす町を訪れました。

8つのモスクはキリスト教徒にすべて焼き払われ、残っていたのはわずか300人

だけです。

今は、フランスの平和維持部隊が周囲を固めるモスクに身を寄せています。

◆現在の政治状況は?

議会選出により、新大統領が誕生しました。

彼女の言葉はとても平和的で希望に満ちており、暴力をやめるよう訴え掛けて

います。

数日前、彼女は、キリスト教徒主体のFACA(国軍)に向けて演説、暴力を終わ

らせなければならないと訴えました。

ところが、大統領が去ってわずか5分後、FACAは各国の報道陣の目の前で

イスラム教徒の男性に襲いかかり、惨殺したのです。

まったく手が付けられないほどの混乱状態です。

 

 

他の地域の場合もそうですが、一口に宗教間対立と言っても、宗旨慣例で衝突

している訳ではなく、マジョリティとマイノリティ、貧富の差、民族、政治などが

絡み合っているので厄介ですね・・・

本来なら、それぞれの断層を繋ぐのが宗教の役割でもあるはずなのですが、

対立する各集団をまとめるツール(もしくは大義名分)にしかなっていないです。

 

中央アフリカ共和国は、1960年8月にフランスより独立して以来、クーデターと

内乱が繰り返され、アフリカでも最も不安定な国の一つです。

(フランスが介入しているのも、旧宗主国という立場からです)
 

 

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