祝 令和7年度予備試験の短答式試験に合格

こんにちは、パンデクテンやっしです。

さて、今年も令和7年度(2025年)の予備試験・短答式試験の結果が出ましたね。

 

 

今年の自分の得点は、自己採点の段階ではボーダー付近との予想でしたが、見事ボーダー付近で「運」よく合格することができました。当初予測の155±2点から、上昇し、実際の合格点は159点でした。

 

伊藤塾やLEC、辰巳の短答リサーチの結果やヒストグラム、過去の予備試験の短答式試験の合格点や平均点の推移などをAIに学習させ、2025年の合格点を予想させましたが、AIはずばり的中させていましたね。

 

恐るべしAI

 

伊藤塾の解答速報から、一般教養が▲3点、法律科目(憲法)が+4点となっており、一応、法律科目で140点以上は死守することができました。この法律科目140点以上が短答合格の底力になったと感じています。

 

 

福岡会場で一緒に打ち上げをした方から「予備校解答間違ってるぜ!」と教えてもらい、実際に予備校解答との差が生じています。運も実力のうち、と言いたいところですが、

今回は**「運」が有利に働いた合格**だったと思います。

 

過去記事

(2024年)

 

(2023年)

 

 

  ☑️ 令和7年の合格点は159点。そして自分の得点は...

 

科目

得点

法律科目

142点(67.6%)

一般教養

18点

合計

160点

合格点

159点

合格余裕

+1

危なかった...。

 

過去の経験からも、法律で140点を取れていれば合格の可能性は高まりますが、今年のように一般教養が平均点高めの年では、法律科目だけで逃げ切るのは相当厳しいです。

 

以下、2025年も含めた、過去の自分の予備試験の短答式試験の点数です。

 

  📊 合格点と平均点の関係は?

 

以下のデータは、スタディングさんが公開している予備試験短答の過去15年分の平均点・合格点推移です。

 

 

 

 

このデータから、2025年は法律科目難化、一般教養易化傾向という事実が読み取れます。

※赤色が濃ければ点数が低い、緑色が濃ければ点数が高い

 

こういう年は、一般教養試験で点数が取れない、自分のような一般教養苦手な人は、短答合格に苦労すると思います。

 

一方で、2025年は、一般教養が得意な一般教養特性がある人は、法律科目で6割満たなくても、一般教養で36点以上取り、合格などということも発生するかと思います。

 

そのため、予備試験の短答、あまり勉強しなかったけど、合格したぜという人も、数多出現すると思います。

 

予備試験の短答は、法律科目6.5割くらいまでは普通に予備校を利用すれば得点することができますが、そこから7.5~8割前後まで伸ばすのは結構しんどいです。

 

ただ、一般教養で36点取れるような人というのは、過去大学受験などで結構頑張った方だと思うので、その努力を以前していたか否かとという考えもできます。

 

  📃 回帰分析の実行結果

 

以下は上記の予備試験の合格点等のデータ(2011~2025年)に基づき、Pythonで重回帰分析を行った場合の予備試験合格点予測の回帰分析モデルです。

変数①:法律平均(予備試験短答式試験の法律科目の平均点:210点満点)

変数②:教養平均(同短答式試験の教養科目の平均点:60点満点)

変数が①、②と2つあるので重回帰分析となります。

 

 

🎓 回帰式(最適モデル):上記重回帰分析の式に、各年度の平均点を入力し検算


📊 モデル比較と誤差(予測値 vs 実測値)

年度

合格点(実測) 

改良モデル 

 誤差

2011  

165

165.29

+0.29

2012

165

165.89

+0.89

2013

170

170.16

+0.16

2014

170

169.71

−0.29

2015

170

169.88

−0.12

2016

166

165.24

−0.76

2017

164

163.38

−0.62

2018

164

163.27

−0.73

2019

161

161.42

+0.42

2020

161

161.06

+0.06

2021

160

159.37

−0.63

2022

157

156.46

−0.54

2023

157

156.53

−0.47

2024

155

154.08

−0.92

2025

159

159.49

+0.49


📌 評価

  • 誤差はすべて±1点以内で収まっており、極めて実務的。
  • 「定数項(+4.5)」を導入することで一貫した下振れ誤差が補正されている。
  • 係数も経験則と一致:教養の変動影響は法律よりやや大きい

上記の回帰分析の式より、合格点は、法律科目よりも、一般教養試験の点数のほうに影響を受けている(✕1.2)ことがわかります。この点からも、予備試験の短答式試験に合格するためには、法律科目145点前後、一般教養で24点前後をとる力は必要だということがわかります。

 

  📊 合格した年と不合格だった年の得点傾向の違い

自分の過去の点数などを分析してみます。

 

まずは、私の得点データをざっくり比較してみます。

区分 法律科目平均 教養平均 総合平均 合格点平均 超過点平均
合格年(2021〜2025) 147.4点(70.2%) 25.8点 173.2点 162.2点 +11点
不合格年(2017〜2020) 122.8点(58.4%) 22.5点 145.3点 160.5点 ▲15.2点
 

 

この表からも明らかなように、勝負を分けたのは「法律科目の得点率」です。しかしながら、今年のように一般教養が易化した場合、一般教養が苦手な自分の場合、一般教養の得点次第で合否が分かれるというリスクもあります。

 

ボーダー付近の人ならわかると思うのですが、一般教養の3点は結構大きいものがあります。あの一般教養の1問が取れていれば、あの2問が取れていればという人が、ボーダー付近にはうじゃじゃいます。

 

なお自己分析として、以下は、各科目の自分の得点とその傾向です。

科目 平均点 得点率 評価・傾向
民法 21.8 72.6% ◎ 非常に安定した主力科目(毎年20点超)
刑訴法   21.3 71.1% ◎ こちらも常に安定、穴がない
憲法 20.2 67.4% ◯ 波はあるが基本はしっかり
民訴法 18.9 63.0% ◯ 中堅、2023〜2025年で高得点化
刑法 18.8 62.6% ◯ 安定感あり、実力がある
行政法 18.3 61.1% △ 伸び悩み気味。2021年以降やや横ばい
商法 17.1 57.0% △ 不安定。特に2022年・2025年に落ち込み

 

🧠 勝因①:法律科目で「140点の壁」を超えたこと

短答式試験は、法律科目210点+教養科目60点の合計270点満点。そのうち法律科目で140点(≒67%)を超えられるかが、合否を分ける一つのボーダーになります。

私の過去の得点を見ると、

  • 2021年以降:毎年法律科目 140点超え

  • 2017〜2020年:140点未満(平均122.8点)

この差が、合格・不合格を最も明確に分けた要素です。

 

📚 勝因②:教養科目で“もうひと押し”できた年は余裕の合格

 

2024年は法律154点+教養33点で**187点(合格点163点)と、過去最高の得点でした。逆に、2025年は法律142点+教養18点で160点(合格点159点)**というギリギリの合格。

つまり、教養で24点以上を取れた年は「余裕の合格」、20点未満だと「ギリギリ or 不合格」になります。

 

❌ 敗因①:法律科目が60%未満だった年はすべて不合格

 

不合格だった4年間(2017〜2020)は、いずれも**法律科目の得点率が60%未満(112〜137点)**でした。

特に2020年(コロナ禍だったので実際に会場に行っては受験せず)は、民法で「8点」、商法で「12点」と、主要科目で崩れてしまい、法律112点・教養18点=合計130点と壊滅的でした。

 

このように、「科目崩壊」が起こった年は合格が遠のくのです。

 

❌ 敗因②:「教養頼み」はリスキー

 

2017年は教養で33点と大きく稼いだものの、法律が112点では焼け石に水でした。教養だけで勝負を決めるのは不安定すぎます。

 

教養はあくまで「加点要素」。法律7科目の安定感があってこそ、教養のボーナスが活きるという構造になっています。

 

  🧩 結論:勝敗を分けた“定量的ボーダーライン”短答合格の戦略は「法律科目の基礎固め、教養で押し切る」

 

項目 合格の目安ライン
法律科目得点率 70%以上(147点以上)
教養得点 24点以上をキープ
法律崩壊科目の回避 10点未満は避ける

教養は**「捨てない」「落とさない」意識で24点確保**

 

私のように、商法や行政法(主観的にはめっちゃ得意ですよ、ただ短答の点数には不安定さがあります。)にやや波がある人でも、民法や民訴法、刑訴法などで得点源をしっかり作ることで合格ラインを支えることができました。

 

 

令和7年は、「運」が味方した年でした。ですが、運任せではなく、数字をもとに戦略を立てることが、来年以降の合格につながると思います。

 

自分の予備試験の得点データ、そして全体の合格点推移を「数値化して振り返る」ことで、なぜ今年は合格できたのか、なぜ今年はうまくいかなかったのかということが正確に分析することができます。

 

  令和7年の予備試験論文式試験の目標

 

さて、短答試験に合格しただけでは、予備試験の輪廻からは解脱できません。今年こそ、論文合格目指して、残り約1ヶ月、最高の準備をしていきたいと思います。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。