令和6年予備試験論文式試験環境法の再現答案

 

 

  感想など

実は、令和5年の予備試験環境法の出題は、自分にとってかなり有利でした。

 

 

 

その理由は、土壌汚染対策法の担当だったからです。

令和5年の予備試験環境法は、主として土壌汚染対策法の出題がメインでした。

区域指定の話や、特定有害物質使用特定施設の話など、普通に担当だったら、ある程度知識としてもっているところの出題だったので、かなり有利な問題でした。実際、令和4年環境法選択でA評価を取られた「ゆーま」さんもすごいできだねと言われていました。

 

ただ、結果はC評価で上位30%くらいでした。

選択科目という特質上、環境法は受験者数が少ないため、他の受験生がすげーできない状態で、自分がめっちゃできる答案でないと、A評価は取れないのかなと思いもしました。

 

では、令和6年の出題がどうだったかというと

まったくノーマークの自然公園法からの出題でした。

去年の出題傾向から、廃掃法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法などが出るだろうと読んでいましたが、自分としてはかなりマイナーの自然公園法からの出題です。初めて条文を読んで紐解き、なんとか論述をしたというところです。

 

そのため、出来としては、去年より「かなりできていない」

おそらくE~D評価(半分くらい)の出来ではないかと想像します。

 

  ジェミニの回答

最近、AIの進歩は凄まじいです。自分も予備試験の学習をしながら、時たまGoogleの生成AIであるジェミニを活用しています。そのジェミニに、今回の論文式試験の問題を解かせると以下のようになりました。

 

【小問】

⑴ 普通地域における広告物設置の手続と特別地域との対比、違反時の措置

普通地域における手続

  • 手続: 自然公園法第33条第1項に基づき、環境大臣に届け出が必要です。

  • 内容: 行為の種類、場所、施行方法、着手予定日などを届け出る必要があります。

  • 根拠: 自然公園法第33条第1項、自然公園法施行規則第14条

特別地域における手続

  • 手続: 原則として、自然公園法第20条第1項各号に掲げる行為は、環境大臣の許可が必要です。

  • 内容: 行為の種類、場所、施行方法、期間などを記載した申請書を提出する必要があります。

  • 根拠: 自然公園法第20条第1項、自然公園法施行規則第9条

違反時の措置

環境大臣は、違反者に対し、自然公園法第78条第1項に基づき、行為の停止、原状回復などを命じることができます。 さらに、違反者がその命令に従わない場合は、同条第2項に基づき、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金を科すことができます。

⑵ 観光客増加による景観維持困難時の環境大臣の措置

環境大臣は、以下の措置を採ることができます。

  • 特別保護地区の指定: 自然公園法第20条に基づき、特別地域内において特に厳重な保護を図る必要のある区域を特別保護地区として指定し、より厳しい規制を課すことができます。

  • 利用調整地区の指定: 自然公園法第34条の2に基づき、利用者が集中し、過度の利用により自然公園の風致が著しく損なわれるおそれのある区域を利用調整地区として指定し、利用者の数や行為を制限することができます。

  • 公園管理団体への指示: 自然公園法第50条に基づき、公園管理団体に対し、必要な措置を講ずるよう指示することができます。

⑶ Xの損害賠償請求の法的構成

Xは、国およびA県に対して、以下の法的構成に基づき損害賠償請求を検討することができます。

  • 国家賠償法に基づく請求

    • 国に対する請求: 国有林の管理に瑕疵があったとして、国家賠償法第1条第1項に基づき国に損害賠償を請求することができます。

    • A県に対する請求: A県が甲遊歩道の設置管理に瑕疵があったとして、国家賠償法第1条第1項に基づきA県に損害賠償を請求することができます。

  • 民法に基づく請求

    • 国に対する請求: 国有林の所有者としての責任(民法第717条)に基づき、国に損害賠償を請求することができます。

    • A県に対する請求: A県が甲遊歩道の設置管理者としての責任(民法第717条)に基づき、A県に損害賠償を請求することができます。

⑷ 特別地域指定における土地所有者の同意の要否

結論: 土地所有者の同意は必要ありません。

理由:

  • 【資料1】と【資料2】の比較: 【資料1】では、国立公園候補地の選定において、「関係市町村の長及び土地所有者の同意を得る」とされていたのに対し、【資料2】では、「関係市町村の長の意見を聴く」とのみ記載されており、土地所有者の同意に関する記載が削除されています。

  • 法の解釈: 自然公園法上、国立公園の指定や特別地域の指定に際し、土地所有者の同意を得ることを義務付ける規定はありません。

  • 公益性: 国立公園の指定や特別地域の指定は、優れた自然の風景地を保護し、国民の保健、休養、教化に資することを目的とするものであり、公益性の高い行為です。そのため、土地所有者の同意を必要としないと考えられます。

したがって、現時点では、環境大臣がA県内に新たに国立公園を指定し、かつ、その区域内に特別地域を指定する場合、当該特別地域予定区域内に民有地が存在しても、その指定に当たって、所有者の同意は必要ありません。

  ジェミニすげーな

というわけで、ものの10秒足らずで、上記の回答を吐き出しました。

おそらく、今のジェミニ(有料版)は、予備試験(司法試験を含む)の合格者のレベルを超えていると考えます。