私の予備論文の成績表

 

多くの合格者が語るのが、司法試験合格までを考えた場合、予備試験の論文式試験が最難関。予備試験に合格するということは、論文式試験に合格しなければならないということです。

ただ、この論文式試験は短答合格者の20%しか合格しないため、その合格レベルは高く、自分も含めて何年もそこで足踏みをしている方がままおります。

 

今年は合格するのは易化したという話もありますが、そんな易化した論文式試験に合格できなかった自分がいます。

 

私は、令和3、4、5年の論文式試験を受験して、下記のとおりの成績です。

 

初回受験である令和3年は行政法及び商法がA、令和4年が行政法及び商法がBです。行政法が得意という認識はありましたが、令和5年度の行政法はEでした。なぜ、自己評価でAだったのに、当該成績がEだったのかは主観と客観が大きくずれているためなにか原因があると思います。これも後で詳細に分析したいと思います。

 

  今までの学習方針

 

直近3年間の学習方針として

伊藤塾の答練などの問題をひたすら起案するという学習です。

一度、解いた問題でも、それを2~3回起案し、繰り返す方法です。

要するにフル起案を行い、勉強をするという方法です。

 

この手法で、法学部や法科大学院に進学したことがない、純粋未修の自分でも、論文初受験でA評価を複数の科目で取ることができました。そのため、この学習法が自分に合った方法だと考え、このような学習を引き続き行ってきました。平日は2通、休日は多い時で5通ほどの答案を起案しました。この3年間の累計で約2,000通の起案を行ってきました。

 

しかし、今年も論文式試験の結果はいまいちで、ふるわないものとなってしまいました。

前年度と比較して100番程度、順位はあがっているものの、もともとのR5予備論文の受験者数がR4と比較して100名程度少ないため、本来、順位はあがって当たり前だと考えています。つまり、自分の場合、前年度と比較して、何ら進歩していないということです。実際、下記の表のとおり令和4年度と令和5年度で比較した場合、順位は上位約55%と進歩のにないものとなっています。

 

 

今考えて思うのはフル起案は時間がかかるということ、学習した後のフィードバックが少ないということです。

 

今年は、自主ゼミを組み、令和4年度の学習法にアレンジを加えたつもりですが、それが結果に結びつかないものとなってしまいました。自主ゼミが悪いというよりも自分の実力不足です。

 

その中で、反省点としてあげられるのが、以下の点です。

①日々の学習法

②直前期の学習法

 

  日々の学習法

 

まず、①について

今までは、少なくとも1日に1通は起案をするという手法で学習をしていました。しかし、令和5年度の論文式試験が終わってから、伊藤塾の論文マスターの手をつけていない科目、民法、商法、民訴法を重点的にこなしています。さらに、ひとつの問題あたり、何度も復習(問題によっては15回以上を目安)をするようにしています。さらに、この復習もその問題を他人に対して説明をするように、復習をしています。このようにして、人に教えるようにして、復習をすると、自分の理解不足の箇所が明らかになり、起案をするよりも短時間で済みます。

 

令和5年度の予備論文合格者に直接話を聞く機会があったので

どのような勉強をしたのか聞くと、「基本的に問題集の周回」といっていました。

自分の場合、答練などいろいろな教材を追加して、解くという作業を繰り返していました。前述の通り、それでも結果は出ています。しかし、頭ひとつ抜けるような結果にならない。それはやはり、問題集の典型問題が身についていない、論文を書くための基礎知識が欠落していることだと考えています。

 

つまり、自分の場合、何か新しい教材を追加したり、新しいことをするというよりも、今手元にある教材をちゃんと復習できているか、ちゃんと理解できているかを確認することが最優先だと思っています。社会人受験生の場合、学習時間が学生と比べて少ないため、その少ない学習時間で何をするかということも極めて重要です。

 

やはり、手を広げたり、直前期に学習教材を増やすことは、それだけ学習対象が増え、ひとつの問題や教材にかける時間や労力が減ってしまうことを意味しています。そのため、手を広げず、今ある教材を着実にこなすことだ大事だと考えています。

 

ひとつの問題の復習を何度もやるという方法については、令和5年度の予備試験論文式試験の合格者であるむしどりさんに、ご助言を頂きました。むしどりさんは重問を20~30回くらいこなすという話をしていたので、つまり反復回数を増やすことは、ひとつの目安になると思います。

 

そのため、復習頻度をあげる、復習する際に教えるようにして復習をするという点で、日々の学習をあらためています。

 

  直前期の学習法

次に②について

今までは短答式試験が終わってから、伊藤塾の直前答練を受講していました。

ただ、R4もR5も問題をこなすことで精一杯になっているところがありました。つまり、郵送で来た問題をこなすのに手一杯で、今までの教材が復習できていない状態です。論文模試も同じで、会場受験できるのであれば、それなりに利点もあるのですが、郵送で来た場合、緊張感などもあまりなく、ただこなすのに手一杯となってしまう状態です。

 

もちろん、他の受験生との比較で、どれくらい学習が進んだのかということは明らかになる利点はあります。また、模試で出された問題が本試験で的中した場合、他の受験生と差をつけられてしまう可能性があります。

 

しかし、今の自分に必要なのは、このようなことではなく、論文を書くための基礎知識です。R5予備論文で因果関係の論述ができなかったこと、民訴法の訴えの交換的変更の法的性質に気付けなかったこと、商法の設問2で通知公告に気づかず的外れな論述をしたこと、憲法で明後日の答案を書いたことは、論文を書くための基礎的な力がなかったからだと分析します。

 

R5予備論文が終わった後、論文マスター刑法の問題を解けば、類似問題が数多くあり、やっているはずの問題が本試験で解けなかったということは、自分の問題集のやり方が薄かったり、理解が不足しているからです。それにも関わらず、直前答練を受講し、学習対象を広げてしまったのは戦略的なミスです。

 

成績表が来て、敗因分析の途中です。

自分の場合、手を広げず、復習回数を増やすということが、とりあえずの方針。

戦略的には、F科目を作らないとか、いろいろ考えていますが、箇条書きで頭の中にあることを吐き出すと上記のような感じです。