「弘前れんが倉庫美術館」は、明治・大正期に建設され弘前の風景を造形してきた「煉瓦倉庫」を「近代産業遺産」として「美術館」に改修したものです。築100年に及ぶ煉瓦造りの建物の「耐震性」を高め、残せるものは残し、「記憶の継承」と「風景の再生」をコンセプトとして、改修しました。

 

もとの煉瓦倉庫は、実業家の福島藤助が、りんご園があった場所に、「酒造工場」として建設したものです。当時、福島氏は、「かりに事業に失敗しても、これらの建物が弘前市の将来のために《遺産》として役たてば良い」と話していました。

 

戦後、実業家の吉井勇氏が、りんご加工事業の海外視察に渡仏し、「シールド=りんごの発泡酒」と出会いました。

 

帰国後、「朝日シールド㈱」を設立。同社は、ニッカウヰスキーに承継され、この煉瓦倉庫は、ニッカウヰスキー弘前工場として使用されていました。

 

その後、煉瓦倉庫は、政府備蓄米倉庫等として利用されていましたが、2015年に美術館とするべく弘前市が取得し、芸術文化施設への改装が始まりました。

 

美術館となった今でも、シールド工場時代の名残を感じることが出来ます。

 

エントランスのこの犬のオブジェは、ガイドブックなどで、よく見るオブジェです。青森にもいます。

 

何とも、弘前らしいオブジェです。

 

壁面の黒っぽいコールタールは、工場時代の名残です。

 

                            (青竹:NO.3719)