最近、「勝興寺」が国宝に指定されましたが、永い間、富山県唯一の国宝建築物として高みにあり続けました。「国宝:高岡山瑞龍寺(曹洞宗)」。加賀藩第2代藩主:前田利長の菩提を弔うために、第3代藩主:前田利常により建立された名刹です。

 

時の名匠:山上善右衛門嘉広をしてをして、約20年もの歳月を費やし、中国風の寺院建築を模した見事な七堂伽藍を完成させました。

 

山門、仏殿、法堂が国宝に、総門、禅堂、大庫裡、回廊、大茶室が国の重文に指定されています。

 

参道の途中に、前田利長公の像が立ち、更に、延々と参道が続きます。

 

此の場所には、利長の家臣:広山恕陽が寛永18年(1613)に開いた「法円寺」がありました。翌寛永19年(1614)に利長が死去。第3代加賀藩主:前田利常は、利長の菩提を弔うべく、寺院の大改修を決意。寺号は利長の法号「瑞龍院」に因む「瑞龍寺」としました。

 

利長の五十回忌にあたる寛文3年(1663)に、ようやく完成しました。当時の寺域は「約3万6千坪(約11万8800㎡)もあり、2重の濠で囲まれた、まるで城郭のような寺院でした。

 

まずは「総門(国重文)」です。

屋根は切妻造・杮葺きで、大冠木前面に配された大きな梅鉢紋やその両端の八双飾り、蟇股に彫られた獅子の彫刻は、桃山時代の建築として高い評価を受けています。

 

 

更に進むと、凄い山門が見えて来ます。

 

山門は、禅院内苑に至る正式の門ですが、残念ながら、延享3年(1746)の大火災で焼失し、文政元年(1818)に再建されたものです。それでも、17世天外和尚や町年寄などの熱心な歎願により、山上善右衛門吉順により再建されました。

 

見事な「国宝の山門」です。

 

 

仁王様も力強いです。

 

 

「回廊(国重文)」です。

 

 

正面に「仏殿(国宝)」が見えます。山上善右衛門が心血を注いだ建物で、総欅造りです。

 

右に見えるのは「大庫裡」です。

 

 

                                           (青竹:NO.3675)