「劔岳 点の記」以来監督としても秀作を発表されている木村大作氏の監督第3作「散り椿」が好評公開中です。今日は平日ですが、かなりの入りを見せていました。葉室 麟の同名小説を原作としていますが、カメラマン出身の木村監督らしく、オールロケを敢行した画面は、”自然の重厚感”が漲っており、当に「美しい時代劇」との触れ込みどおり、各所に”木村監督の美学”が滲み出ています。
享保15年。8年前に藩の重臣による不正を訴え出たものの認められず、藩を出た瓜生新兵衛(岡田准一)は、添い遂げたものの苦労がたたり病に倒れた妻(麻生久美子)の”最後の願い”を果たすべく帰郷します。
亡き妻の願い(藩に居た頃ライバルであった采女(西島秀俊)を助けること)を果たすことは、新兵衛が8年前に藩を出るきっかけになった事件と密接に関わり合っており、一筋縄では済まない内容でした。
亡き妻の妹/里美(黒木 華)とその弟/藤吾は、戻ってきた新兵衛に戸惑いながらも、惹かれていきます。やがて若殿がお国入りし、その暗殺を志向した”悪事の元凶の国家老”と新兵衛・采女との対決に。そして全てが終わり、去っていく新兵衛。
時代劇本来の筋(縦糸)と恋愛や人間ドラマ(横糸)が見事に絡み合い、2時間はあっと言う間に過ぎ去ります。
木村監督初めての時代劇は、「雨や雪」、「樹々の緑」、「岡田准一の”殺陣”の見事さ」など見処が多い、見事な一級品の時代劇に仕上がっています。
(青竹:No.2095)



