昨年の京都は「琳派」一色でしたが、今年は「禅」ブームです。京都国博で22日まで「禅~心をかたちに」展が開催中ですし、各禅宗寺院の「特別公開」も三々五々、行われています。
(本展覧会は、東京国博では、今秋公開予定。)
臨済義玄の没後1500年、および日本に於ける臨済宗中興の祖である≪白隠慧鶴≫没後250年の遠忌を記念しての「禅」展とされています。
特定の≪経典≫を持たない禅宗では、その教義を師の心から弟子の心へ、以心伝心で受け継がれ、その修業は坐禅を中心とされ、日常生活の行いやふるまい全てが、修行の一環として重視され、禅問答を通じた師と弟子の≪心の交流≫を経て、「悟りの境地」へと至ります。
この展覧会は、臨済・黄檗両宗15派の全面的な協力を得て、禅僧の肖像画や仏像、書画、工芸など、国宝約20点、重文約100点を含む、約220点の名宝を展示し、禅の神髄に触れる貴重な機会として開催されています。
●臨済義玄像(重文)
一休宗純賛、伝蛇足筆、真珠庵蔵。
達磨禅師から11代目。唐の禅宗で臨済宗の開祖「義玄」の像です。(9世紀)
厳しい教えで、絶大な支持を得、禅宗全盛期を峻烈な師の禅風がそのまま視覚化されたようでもあります。
一休宗純の荒々しい賛も、良くマッチしています。
●右:無準師範像(国宝) 自賛、東福寺蔵
左:一休宗純像(重文) 自賛、酬恩寺蔵
右は、東福寺の開山・聖一国師が師事した無準師範の頂相です。無準は、中国五山の第一・万壽寺の住持で名僧でした。写実的な容貌に、袈裟や法被なども精緻な描写で、威厳をたたえています。
●禅院額字井牌字のうち「大円覚」:(国宝)
無準師範筆。東福寺蔵。
円爾が、博多に寺院を開いたときに、無準が贈ったものです。「大円覚」は、仏殿にかける額字です。
●伊達政宗倚像
瑞巌寺蔵。
政宗17回忌に夫人の愛姫発願により造られました。朝鮮出兵時の姿だそうです。政宗の遺言に従い、両眼を開いた姿で、造られています。
●玳玻天目(たいひてんもく):(国宝)
相国寺蔵。
玳玻(たいひ)とは、「べっこう」の意。亀の甲羅に似ているので。
見込みの文様が、梅の花に似ていることから、「梅花天目」とも言われる。
小ぶりながら、凛とした気品があり、松平不昧公の愛蔵品とも言われている。
●達磨像
白隠慧鶴筆。萬壽寺蔵。
白隠は庶民教化の手段として膨大な書画を描いたが、達磨を描いた作品が多い。本作品は、そのなかでも代表作と言えるもので、巨大な画面で見る者を圧倒する。
蝋を用いて、描かれた白抜きの賛は、自らに備わる仏性に目覚めよとのメッセージである。
「直指人心、見性成仏」
●竹図襖(重文)
伊藤若冲筆。鹿苑寺蔵。
線で繋がれた「楕円」と三角形の集合に過ぎない描写であるが、確かに、竹林に見えるから不思議である。
●瓢鯰図(国宝)
如拙筆。大岳周崇等三十一僧の賛。退蔵院蔵。
「丸くすべすべした瓢箪で、ぬるぬるした鯰を押さえ取れるか」との4代将軍足利義持の問いかけに、五山の名僧31人が書き表したもの。
この問い掛けは、「鯰魚にて竿に上ル(不可能なこと)」といわれる中国のことわざをもじったもの。
すべる鯰と瓢箪を加えたもので、ユーモアあふれる問いに、義持サロンの様子が伺える。
「鯰は瓢箪に押さえられるが、脱して、龍門の滝を上るだろう」と。











