「早雲の軍配者(上・下)」、「信玄の軍配者(上・下)」、「謙信の軍配者(上・下)」の六部作で一世を風靡した富樫倫太郎の最新刊です。
「北条早雲」でも、「青春飛翔篇」、「悪人覚醒篇」に次ぐ3作目。これまで、以外なほど主人公とはされてこなかった大物=北条早雲の代表作となると思われます。
「悪人覚醒」との題名にはなっているものの、記述では一貫して、農民に”優しい”領主とされています。
第1篇「青春飛翔篇」では、父親の領地である備中・荏原郷で過ごした幼少期から、都で幕府の役人となり、姉の嫁ぎ先である駿河・今川家の助っ人として活躍するまでの、知られざる前半生を描きました。
第2篇「悪人覚醒篇」では、再度紛糾する今川家の家督問題の解決の為に、死も覚悟して駿河へ赴き、
いわくつきの悪徳大名を斃して世に”名乗り”を上げるまでを描きました。
第3篇の本書では、北伊豆の領主から、いよいよ相模に侵攻を開始するまでを描きます。「誰もやらないからワシがやるのだ。この世の地獄を減らすためには、伊豆だけではなく相模も手中に収めなければならない。」と、途方もない≪夢≫に向かって、新たな戦いを開始します。
物語の終盤には、「長尾景春の軍勢」も登場し、意外に面白い関東の動乱が”いよいよ”始まるのだなと緊張させてくれます。
今後が楽しみな一冊です。
