転院から一ヶ月経っても一向に友達はできなかった。

一番友達に近かったのは療法士と看護師さんたち。

 

やはり看護師って大変な仕事だなと思う。認知症の患者さんもいた中で、辛抱強く質問を続けながら日々の管理を行っていくのは体力的にも、精神的にもタフでなければならない。

自分は生まれ変わっても、看護師にはなれないな。そう思った。ただこういった仕事をしているから、一緒になってしまえば、いろんなことに対して懐の深いところを見せてくれそうだな、とも思った。旦那さんの浮気でも許してあげたりとか。うん、それは違うな。

 

実際すごくかわいい看護師さんがいた。まるで自分のことのように目を細めて体を心配してくれる。その人が検温に来るとテンション上がった。血圧上がるかと思ったけどそうでもなかった。薬はガッチリ効いていた。しかも自分より5歳くらい年上だった。まじか。何回も不謹慎だよなぁと思いながら、窓の外に向かって遠くの彼女にごめんなさいした。会いたいなあ。会えないなぁ。なんでだろ。