病院にはすぐに到着しました。そのまま処置室に移されます。
すごい寒い。今考えれば、8月だというのにものすごい寒気を感じていた。
天井のライトがまぶしい。動くものを見ると吐き気が襲ってきます。
「自分で移動できます?」
誰かに言われました。できるもんならやっとるわ!と脳内で反抗します。
結局なんの返事もできず、されるがままに移動させられました。
とりあえず吐き気をなんとかしてほしい。
自分がちゃんと発言したのは「吐く」の連呼でした。
医師の質問には首を軽く振ったり、ジェスチャーで答えました。
「じゃあCTとレントゲン撮るからね」
そう言われて台ごと動き出しました。
また聞かれます。
「自分で移れます?」
だからできるならやっとるわ!ぶっとばしてやろうかなコイツ、くらいに思っていました。
あっという間に撮影を終えるとまた処置室に戻されました。医師がカタカタとキーボードを叩く音と
たぶん自分のだと思われる心電図の音が響いています。あまりにも静か。想像していたものと違いました。
救急隊員がいなくなっています。あれ、いつの間に。少し顔を上げて部屋を見渡してみます。
いつの間にか腕に点滴が刺さっています。全く気づかなかった。あとでわかるのですが、左腕の温痛覚が消えてしまっていました。
まぁ入院だろうなぁ。すぐ退院できるかなぁ。できるといいなぁ。
処置室の照明に向かってぼんやり話かけていました。