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明日の道の続きへ

20130320開始

日々思うことや、
閃いた物語とか、創作シナリオ、
映画などの感想を書いております。

不定期更新で
めったに写真等もない
最近のブログ事情に合わないブログですが、

気が向いたら
立ち読みしていって下さい。

『ドリームランド』


ここは……何処?

俺はふわふわの地面に佇んでいた。
周りはカスミが掛かっている様で、よく見えない。

「ようこそドリームランドへ」

何処からか少女らしき声が聞こえて来た。
辺りを見回しても見当たらない。

「ようこそ!
ドリームランドへ!!

その可愛らしい怒鳴り声のした方を向くと、ドレスを着た少女が膨れっ面で俺を睨んでいた。

驚きで声も出せない俺に

「やっと気づいたぁ。
此処は何でも夢を叶える
ドリームランド、
あなたの夢は何ですか?」

と、満面の笑みになった少女が瞳を輝かせて俺に問いかけてきた。

ポカ~ン(゜Д゜)
何もかも突然すぎて思考がフリーズしてしまっていた。

そんな俺を見て、
腰に手をやり考える素振りをみせる少女。

あのぅ…と、やっと口にした俺にキラキラした瞳を向け、少女はうんうんと小さく頷いた。

「此処、何処?」

ガックリうなだれる少女。

「あ、いや、その、此処って…」
「だ~か~ら~!
ドリームランドって
さっきから言ってるでしょうが~!!

怒りを露わにした顔を上げた少女は
ビシッと俺を指差し

「夢よ!夢!
早く言いなさい!

「え?特に無いんですけど…」

呆れ顔になる少女
表情豊かな少女を見ているうち、笑いがこみ上げ、吹くように笑ってしまった。

「失礼な!
ヒトの顔見て笑い出して!
夢無いの!?なにしにきたの?」

それは俺が知りたい

またもや考え込む少女

「強いて言えば…」

眉を潜めながらこちらを見る少女の姿に
笑いを押し殺し

「地上に戻して欲しいな」

ふわふわした地面だから、恐らく雲の上だろうと思っての発言だったが、的外れだったようだ。

「お馬鹿ねアナタは。
それは無理ね」

「はぁ?
何でも叶えるって
言ってたじゃないか!


『馬鹿』呼ばわりされたのも相まって怒鳴り声を上げてしまっていた。

少女はニヤリとして

「夢を叶えるの。
あんたが言ったのは願望よ」

何やら少女の発言に粗暴さが見え隠れしてきた…気のせいかな?

「じ、じゃあ、君は誰?」

質問を変えて真偽を伺ってみた。

アタシ!?」

明らかに動揺した。頷くと

「アタシの事は
どうでもいいの!
それより夢よ
夢!

明らかに怪しい……

「夢を聞き出してどうする気なんだ?」

「ど、どうもしないわよ!
叶えるって言ったでしょ!

ふと浮かんだ考えを口にしてみた。

「それは違うだろ?
夢を食べてるんじゃないのか?」

「……」

図星のようだ。

俺の脳裏にふと過ぎった考えは

これは夢の中で、
この少女は夢を喰らう獏なんじゃないか?
俺は上得意様で、
夢を食い尽くして
願望の方の『夢』まで
手を出したのではないのか

と、考えたのだ。

だから、俺は無気力で無関心なんじゃないのか?
そう思ったら腹が立ってきた。

ふっふっふっ……

これは俺じゃない。目の前の少女の姿をした獏の声だ。

「バレたら仕方無い
ここまでだな」

少女獏は俺のスネを蹴って一目散に逃げた

俺は後を追った。
が、すぐさま見失った。

畜生め

……

俺は自室のベッドで目覚めた。
起き上がり、カーテンを開け放ち
日の光を全身に浴びる。

何とも清々しい
こんなにも爽やかな目覚めは初めてだ。

あの少女の獏は俺から居なくなっただろう。
明日からきっと良い夢が見られる。


獏は夢を喰らわないと生きてはいけないはず。
次はアナタの夢が狙われているかも知れない……


おわり