数学の世界には、「平面を隙間も重なりもなく敷き詰める図形」を探究する「平面充填(じゅうてん)」とよばれる分野が存在します。
容易に想像できるように、正方形や正三角形を使えば、ごく簡単に平面を敷き詰めることができますが、数学的に興味深いのは、「非周期的」とよばれる複雑な平面充填です。
多くの数学者たちが、この非周期的な平面充填に魅了され、「それだけを可能にするのはどんな図形か」、そして「いかに少ない種類の図形でそのようなことが可能か」を追い求めてきました。
非周期的な平面充填だけを可能にする図形が初めて確認されたのは1964年のことで、じつに2万426種類の図形によって、平面が敷き詰められていました。この膨大な数を減らす試みはその後の10年間で一気に進展し、1974年にはなんと2種類の図形で可能なことが見出されます。
発見者の名前はロジャー・ペンローズ。
数学世界に精通する人は、その発見が「宇宙のどこに行ってもそれは通用する」なる定理に魅了されておるそうなのですが、小生のようなボーンヤーリ生きてる存在には、「なんでそれを突き詰めようとしたの?数学的にって何?」って辺りからちんぷんかんぷんで、なんなら「ガラスは左右反対に映るのに、上下はなぜ反転をしないのだ?」なる説が「未だ未解明!」などと称されましても「鏡ってのは左右反転して写るもんさ!」以上に考え出したりしないですもんね。
でも、賢い人らはそれをします。なんでだろーってところで、突き抜けています。
ペンローズ・タイルの発見により、「非周期的な平面充填」問題の核心はいよいよ、「それは果たして、たった1種類の図形で可能か?」へと至りました。
たった1種類なのに、非周期的にしか平面を敷き詰められない図形--『ペンローズの幾何学』ではこれを「非周期モノ・タイル」とよびます。そして、この非周期モノ・タイルこそ、「アインシュタイン・タイル」です。
ペンローズからアインシュタインへとは、科学ファンをワクワクさせてくれる名称ですが、この風変わりな名前は、ドイツ語で「一つの石」、転じて「1枚のタイル(モノ・タイル)」を意味するein steinに由来します。
2023年の大発見とは、たった1種類で非周期的な平面充填だけを可能にする図形、すなわちアインシュタイン・タイルがついに見つかった、というものだったのです。
なるほど、凄さが少し伝わりました。アイン・シュタイン、なタイル。ほほう。
凄そうだ、までが精一杯です。
こっから先に行こう!ってならないのが凡人のいいところです。
こっから先の時間は、お菓子食ったりテレビ見て過ごすんだーってなります。
そこが賢い人らとの差なのです。えっへん。おっほん。