「いつも300円のトンカツが150円だったから2枚買った。20枚限定で大変だった」という奥さんの方が正しいのです。
こういう知識は生きることに直結しています。カントより150円のトンカツのほうがよほど重要なのです。
「カント?なにそれ」と言われても仕方ないでしょう?
サンガ出版「無情の見方」アルボムッレ・スマナサーラ著「それは『無常』ではありません」より抜粋
カントを知ってる旦那さんには、奥さんのスーパーでの買い物情報のやり取りが馬鹿話にしか聞こえてないんじゃないかという例えの文章です。
この師の文章はいつも飲み込みやすく、俗っぽい平易なたとえがとっても上手で楽しくなる。
カントとトンカツ、並んで比べるものなんかじゃないんだろうけれど、「知識」でなんかしようとしてる現代人を笑い飛ばすような姿勢がある。
生きることが肝要であって、知識なんてのは2の次でいい。これっぱかしのことをきちんと言う大人はどこへいったんだ。生きることに上手であるっていうのは、まずもってきちんと食べるってことに執着できることだよ。
師は「知識」が「大量殺戮兵器」なんてのを生んでいるのにそんな文明のまんまでいいわけないじゃん、と一刀両断です。ははは、そうだよ、そうじゃん。ろくでもない文明に乗っかったままで安心したがってるなんてね、どうもね。
目の前のものすらきちんと観なくなった自分たちの逃げ腰な毎日を、いま、ここから生
き直すことから始めよう。試練。