日本人がクジラの味を忘れなかったように、熊だって人を「食い物」と認識し出せば、ごく自然に食事にありつく心意気で人を見やるのは想像に易い。
そこはもう理性云々とか愛護云々以前の野生の領域であって、習性であって、改めるに至れなさがもう決定的だ。
ヒグマ、ツキノワグマを問わず、熊は一度「エサ」と認識した獲物に異常なほど執着する習性を持つ。
「昔、本職の猟師さんに聞いたことあるが、人を食った熊は絶対殺さんといかんらしい。人は『毛がない&柔らかい』ので味を覚えたら間違いなく次から人を狙うようになるそうだ」
理屈じゃない領域の話を理屈の俎上には乗せようがないものね。
一度でも「人間」を襲った熊は、人間を弱い獲物と認識し、何度でも人を襲う。さらに「人間」を食ったことがある熊にとっては、爪や牙を持たない非力な「人」は襲いやすく、毛がなく皮膚が薄くて柔らかい「絶好の獲物」となる。
便利でおいしいなら、食うわね。強いし、熊。
さらに今年は暖冬のため、「冬眠」をせずにエサを探し続ける「穴持たず」と呼ばれる危険な個体が多く出現する可能性も懸念されている。
ね。
熊側の常識も変容してきてるのだから、人間サイドも合わせなくちゃ。
同じ土俵に立てない存在同士なのだというのを一義にもっておきましょう。