https://s.japanese.joins.com/Jarticle/309333
メディンスキー氏は先月、新しい歴史教科書の刊行を公式化し、「5カ月も満たない期間で編集された」と自慢した。その上で国の観点をよく提示した本だと強調した。しかしまもなく国際社会では歴史歪曲という批判が出てきた。
たとえばウクライナ侵攻に対し「ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟しようとしたため特別軍事作戦を行ったもの。もしウクライナがNATOに加盟した後にクリミア半島やドンバスで紛争が起きたとすれば(ロシアの)文明は終末となっただろう」と主張した。
もう露呈してる嘘になってる。嘘つき教科書め!
このほか、2014年のロシアのクリミア半島強制併合を「平和的に歴史的正義を回復したもの」と正当化したり、ロシアを西側侵略の犠牲者と描写して「西側はロシア内部を不安定にさせることに執着する」と書いた。第2次世界大戦直後である1945年から最近までの歴史を取り上げた新しい教科書は、今月1日から高校10年生(16歳)~11年生(17歳)の授業に活用されている。
ポリティコによると、ロシアの歴史学者は彼の本を「おかしな間違いであふれた宣伝パンフレット」と批判したりもした。だがメディンスキー氏はこれに対し
「事実は重要ではない。すべては解釈から始まる」と反論した。彼は著書に「もし故国と国民を愛する気持ちで書いた話ならば、常に前向きなものになるだろう」と書いたりもした。各種議論にもメディンスキー氏は2012~2020年にメドベージェフ内閣で文化相を歴任した。
もはや、である。
まさか?な動機である。
この教科書で育った世代は、世界との隔絶に悩まされ、遠巻きに自国の異常さを知る羽目になる未来に導いている。
後の世代に対する冒涜であり、加虐でもある。
取り返しのつかなさを助長し、伸延させるこの愚かさを忘れないでおこう。
これを盲信せねばならぬ国に不憫の目線を送るしかないのだろうか?
「愛国エリート」を自任した彼の歪んだ歴史観はプーチン氏の目に止まった。ニューヨーク・タイムズによると、2020年夏にコロナ禍により自主隔離中だったプーチン氏は彼の本を読み始めた。当時プーチン氏は自身の統治を支える新たな歴史記録物を構想していたという。自分の考えを整え適切に表現する助力者が必要だったが、メディンスキー氏が適任だったのだ。彼が新しい歴史教科書執筆を指揮するのは自然な流れだった。
こんな短絡的で恣意的さを引き上げ、中心に据える卑怯なやつがいた。
国を迷わせ、行き先を狂わせてもいる。意識的に偏向を助長し、戻れなくなる線まで継続するだけの狡猾も備えている。
遠からず、これらの目論見は潰えていくであろうけれど、無為なることに振り回される世代が起きることを、ロシア自体が意識できねば、おのずから居場所を失っていくことになる。
誰かの思い通り、の材料にあてがわれる愚かさってのもある。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/09/post-102682.php
<指揮官が逃げ出し、戦闘を拒否したロシア兵は捕らえられ、地下室で身柄を拘束され、連絡が途絶えている>
記事に上述の指導者をいただけば、現場の本当さは陰惨を極めるしかない。
なにせ本当に起きてることを、歪曲だけでしのいでおり、真の意味で国民を慮ってくれる気配が微塵もなければ、どうしたって前線という異常な世界に波及できるだけの良識は残らない。苛烈と悲惨だけの場所に投入されたロシア人たちは、裏切られっぱなしのまま人生を潰(つい)える。
同旅団の兵士たちは、ウクライナ東部「スバトベの方角」に連れて行かれ、「生活に最低限必要な物資も手段もないまま森の中に置き去りにされた」。そしてウクライナ側からの攻撃の標的にされると、「指揮官や将官など、責任ある立場にある者は部下を見捨ててネズミのように逃げ出した」という。
上官や指導者たちに信を置けない軍隊が機能しない訳をロシアは分かっていない。
随分このやり口でやってきたんだろうが、ロシアが勝ててこれた諍いのほとんどは、規模クラスの話で絶対差のある劣勢国家や存在に対してだけであり、公に国クラスの戦争に真っ向の勝利を勝ち取ったと言えるものがいくつあるだろうか。実に情けない景色と気概。
大義が戦争に要るわけが、こうした局面で生きるはずだが、これでは機能に能(あた)うものになれてない。「これでは死ねない」と上官が勘づいてる戦争に、勝ちようがない。
「私たち兵士は現地に投入されるとすぐに塹壕を掘るよう命じられた。1つの大隊につきシャベルは3本しかないが、最善を尽くして掘り続けた。
朝になると敵の砲撃が始まった。迫撃砲やミサイルなどが飛んできた」とアガフォノフは言った。「砲撃が始まると、上官たちはすぐに逃げ出した。私たちは砲撃が止んだ隙に塹壕を掘って隠れようとしたが、すぐにヘリコプターで居場所を特定されて撃たれた」
アガフォノフは、プーチンが2022年9月21日に発令した部分動員令の一環として徴兵された者たちは、そもそも戦闘に参加したくなかったのだ、と説明した。
この人らに勝って、良しとする心があるだろうか?
見捨てる上官、敗走の体験、参加したくないなる希薄な国防動機。
無理だわ、継続が叶いっこない。
督戦隊が当然の顔つきで導入されるロシアってのは、なんせ国民の命が軽すぎる。
守るより逃げる国にしか値しなくなってる。
じゃあ、この国にいて、勝つってことが何に結びついていけるのか、実に蒙昧なる振る舞いにしか見えてこない。動機になりえないではないか。
