今がそうである、は覆せないこととし、その先のために自身の腐心すべき事柄に、気持ちのリソースを集中しなおすのは、本当に勇気の備わってる人の強い剣のようなものです。
「恐ろしかったですよ。目を覚ましたら、前に医者たちがいて、こう告げられたんです。『申し訳ございません、うまくいきませんでした。非侵襲(生体を傷つけない)手術を予定していたはずが、失敗して心臓壁を突き破ってしまい、内出血を起こしてしまいました。あなたの命の無事のため、直ちに打ち明けなければなりません』と。」
強くて頑強なイメージは商売道具であり、シュワさん自身は一人の人なのです。
叶えられなかった手術結果は、この後の人生の進ませ方を左右させるものでした。
シュワちゃんは「つまり結論は、時間は巻き戻らないってことか」と極めて冷静沈着。「これは危機だ、私は危機の真っただ中にいるんだ。じゃあ今、どうやってここから抜け出すか?ギアチェンジするんだ。自分で自分を正す、ギアを替えるんだ」と映画の主人公さながらの判断をもって、「OK、今私がすべきことは、この病院から出ていくことだ」と考えたそう。
態度価値。
どう応じるか自体がすでに力をはらむ。
聡明さを覚えます。
フランクルの「態度価値」はドイツの作った収容所で死ぬ際のさなかを、生き残れた人から抽出できたエッセンスだった。
事態そのものは変えられぬ、されど応じ方は自身にその決定ができ、生残させるに能うほどの余地を心に生んだ。実際、応じ方自体がサバイバルに貢献し得た。
シュワさんがすげえ!ではなく、ここに見やるべきものは、応じ方の良さだ。
これなら誰にだって応用が叶うものだから。
↑このシリーズブルーレイに焼いたし、テキストも保持してます!

