「ずっとぶれなかった」“予測死亡率97.45%”だった被告 「死に逃げさせない」と主治医の手記 | アメブロなpandaheavenブログ

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最近漫画の先生始めました。
好評です☆

写真を撮ったり映画を見たり。でもやっぱり普通が一番!
みんなも無理しないでね!

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こういう形の逃さなさ、もあるのか。

 

たくさんの命を炎に焼き尽くした奴が生きさばらえてる。

死ねばいいのにと多くの人が思った。

全然失った命に対して、釣り合わない命がむざむざ残ってると。

 

亡くなった側の無念を思えば、これでもはるかに遠慮がちでまったくいいあわらしきれていない矮小な言い分だと思う。

 

青葉真司被告(45)は、ガソリンをまいて火をつけた殺人などの罪で逮捕・起訴されました。
【事件直後の青葉被告を目撃した人】
「『パクられた』とかっていうような言葉も使っていた。自分が悪いんじゃなくて、被害者的なものの言い方をしていたように聞こえました」

やっすい被害者妄想だわ。

とるに足らんわ。

こんなつまらぬ衝動ごときで。

 

【上田教授の手記より】
「7月19日 人としての原形をとどめておらず、『こいつがたくさんの命を奪った犯人か』という陰性感情はなく、もうすぐ絶命するだろう…それしか感じなかった」
【上田教授】
「事件が起きた日に各医療機関に電話しまくって、被害に遭われた負傷者を1人でも、うち(近畿大学病院)はやけど強いので送ってくれって、当時の初療担当している医者や病院に電話して、片っ端からかけていったんです。結局1件も転院依頼はなくて」

「でも、『もう1人、実は診てほしい人がいる』って言われて、ちょっと嫌な気はしましたけど、もしかしたらと思ったらやっぱりそうだった。

犠牲になられた方とご家族、被害に遭われた方とそのご家族のためには、『死に逃げ』させてはいけない。その思いが強くて、絶対容疑者を死なせちゃいけない。それだけです。そこはずっとぶれなかった

【医療チームの一員 福田隆人医師】
「今までで一番経験したことがない重症度で、本当に救えるんかなっていう気持ちが多かったですけど、上田先生とかが、『やるしかない』って言うので、チームのリーダーになってやっていた姿を見て、助かるかどうかじゃなくて、助けなあかんっていう気持ちになりました」
青葉被告が搬送されると、上田教授は、4回に分けて全身の壊死した組織を取り除き、コラーゲンなどでできた「人工真皮」を貼りつけていきます。その上で、わずかに残った正常な皮膚から作った「自家培養表皮」の移植を行いました。

ただ、ここで高いハードルがあります。「自家培養表皮」は皮膚の細胞を人工的に培養するため、作るのに3週間から4週間かかるのです。完成を待つこの間、上田教授たちは血圧の維持や感染症への対策など、命をつなぐギリギリの戦いを続けていました。

生かすべき人のための医療技量が、リソースが、加害側の、もっとも生きるに値するかどうかってやつに費やされる。先生も平常ではいられなかったと思う。凄まじい葛藤が予見される。

 

なのにそれは思惑とは別に功を奏します。

■約4カ月の治療期間 克明に手記に記録
手記には、揺れる胸の内が記されています。

【上田教授の手記より】
「予測死亡率は97.45パーセント」
「手術のことで頭がいっぱい」
「起床時から激しいめまい」
「疲れが全く取れない」
「自宅のインターホンが鳴った。『ウエダタカヒロさんの自宅はここでしょうか?』…新聞のものですが。余計な緊張が増えただけだ。くそ野郎」
「死なせてはいけない」

【上田教授】
「フロアが、上がICUなんですけど。なんかあったら僕のところにすぐ連絡がくるのは分かってるんですけど、その前にテレビとかネットに、『もうあかんかった』っていう情報が出るんじゃないかっていう錯覚になるので、そういうのが出てないかなって思うと、すぐ上に行って状態診たり、『まだ生きてる』とか、そういう感じ。2時間おきに繰り返してる」
血圧の平均値と尿の量を表したグラフで見ると、青葉被告の容態は、「自家培養表皮」の移植手術を行った時期を境に、みるみる回復します。

【上田教授の手記より】
「スピーチカニューレを入れ替えすると、声が出たことに驚いていた。『こ、声がでる』『もう二度と声を出せないと思っていた』。そういいながら泣き始めた」

【上田教授】
「で、そのあともずっとその日は泣いていたので、夕方にまた、『なんで泣くんだ』って話を聞いたら、自分とまったく縁がないというか、メリットがない自分にここまで治療に関わる人間、ナースも含めて、いるっていうことに関して、そういう人間がいるんだという感じでずっと泣いていました」
関係者への取材で、最初の移植手術直後の映像を入手しました。

この期に及んでも、人はまだ自分が、となるのか。

どこまでもこんなもんなのか。

【上田教授】
「五回手術してん。で、あと少なくとも、4回は手術をします。分かった?頑張れる?」

上田教授の言葉に、寝たきりの状態の青葉被告は小さくうなずきました。

【上田教授】
「がんばれるらしい。はいがんばろね」

がんばれるらしい、か。

言われたくなかったろうな。

いやだったろうな。

他人のなさが。

【上田教授の手記より】
「11月7日 家に帰してほしいと言う。『歩けないのにどうやって生活する?』と尋ねると、『歩けます』と答えた。実際に足を動かすように促すと、足を動かせずあきらめの顔をする」

あなたは生きてて、帰りたいが言えたんだね。

すごいな。

(Q.青葉被告と会話を交わす機会もあったと思うが?)
【福田医師】
「何回かしゃべる機会はあったんですけど、一番心に残っているというか、克明に覚えているのは、『まわりに味方がいなかった』っていうのが一番言葉で残ってて。どこかで彼の人生を変えるところはあったんじゃないかなっていうのを、その言葉を聞いて思って。僕たちって治療を始めたときから転院したときのことまでしか知らないですけど、40年以上の人生があって、どこかで支えとなる人がいたら、現実はもうちょっと変わったんじゃないかなっていうのは、そのとき思いました」

■治療を終え転院する青葉被告 「考え直さないといけない」と上田教授に語る
11月14日、転院の日。近畿大学病院でのやけど治療が終わりました。転院先となる京都の病院に向かう車の中で、上田教授は青葉被告と向き合います。

【上田教授】
「自分も全身熱傷になったことは予想外?」

【青葉被告】
「全く予想していなかったです。目覚めたときは夢と現実を行ったり来たりしているのかと思いました」
「僕なんか、底辺の中の“低”の人間で、生きる価値がないんです。死んでも誰も悲しまないし、だからどうなってもいいやという思いでした」

ひとつわかる。

どうなってもいい、は実行できたんだ。

やってのけれたんだ。

クソが。

 

生きてる価値云々じゃない。

人を殺めた卑怯が許しがたい。

【上田教授】
「俺らが治療して考えに変化があった?」

【青葉被告】
「今までのことを考え直さないといけないと思っています」

【上田教授】
「もう自暴自棄になったらあかんで」

【青葉被告】
「はい、分かりました。すみませんでした」


【上田教授】
「ちょっと意地悪い言い方をすれば、やっぱり僕は後悔させたいというか、やらんかったらよかったと。
こうやって正面から向き合ってくれる人らもいるんだと。
人生自分の敵ばっかりではない。こういうことやらなかったらリセットできたかもしれないわけじゃないですか。人生を。

多くの人が犠牲にならなくてもよかった。

 

一番彼を悔い改めさせるというか、後悔させるっていうのは、すごい大切だと思いますし、ただ、その言葉がどこかで聞けるのかどうかっていうことに関してはちょっと、どこで聞けるのかなっていうのも考えたりしますね」
 

36人の命が奪われた京都アニメーション放火殺人事件。事件からおよそ10か月たった2020年5月に、逮捕の日を迎えます。

【青葉被告の医療チームの医師】
「僕ら普段から、感謝してもらえるような、職業柄そういった立場にいて、その言葉を何気なく受け取ったりとか、する言葉なのになんか、『治療してくれてありがとうございました』って言われたときに、なんか、スッキリはしなかったっていうのは、すごい覚えていますね。なんとも、その表現として言葉にできないんですけど。本当に“違和感”はすごい覚えました

『みんなが望んでたのかな』とか『望まへん人もいたんじゃないかな』とか、そういうことを考えてしまうから、あんまりそこを、はっきり自分の中でさせたくない。その人たちの立場になったときに、本当に自分がやったことは正しかったかなっていうのは、おそらくずっと葛藤としてあると思う

「もやっとする。一生もやっとするんですよ…たぶん」

この、肉のついた言霊の、血が滴りそうな生々しさ。

救った側が後悔し、葛藤を抱えねばならぬ事実。

救うということのもう一面。

それは安逸ではない。腑にも落ちない。

2020年6月、逮捕の翌月。上田教授は青葉被告の診察のため、ひそかに大阪拘置所を訪れていました。

(Q.(青葉被告の)様子はどうでしたか?)
【上田教授】
「元気そうでした。傷はほとんど閉創してる状態で、処置するところもほとんどないし、正直、培養表皮であんだけ良くなるっていうのもあんまりないんで。ふつうの一般的な患者さんだったらもっと両手を上げて万歳って喜ぶような傷でしたね」

かなり良くなっている彼を見ると、たらればだけど、犠牲になった方をお一人でも同じような技術で救いたかったなと、ちょっと今日は思いましたね」

私達の誰もがあなたに賛意を贈ります。同感を覚えます。

やりきれなさに同じ感慨を抱きます。

犯人を死逃がないでくださってありがとうございます、

【上田教授】
「医療の未熟さで患者さんとかが不利益を被ったり、命を落とすっていうのは、もう見たくないんですよ」

【上田教授の手記より】
「転院を終わらせた後の気持ちを忘れる前に記す。助かった命のありがたさを感じると同時に、迫りくるだろう死に日々おびえることになるだろう。それがさらに命の尊さを認識させるに違いない。

ただ単に救命するだけでなく、そういう状況にもっていけたことが、犠牲になった方や被害に遭われた方への、せめての償いになればとの思いが、主治医としては1番大きい」

36人の命がこの場所で失われ、32人がこの場所で傷つき、今も治療を続ける人がいます。4年が経ち、9月5日、裁判が始まります。

なんと大回りな形での被害者と遺族への献身だろう。

医療がなせる外縁部分のパスは十二分に果たしてくださいました。

 

犯人は殺しすぎたし、無意味すぎた。

犯人は死刑になるだろうが、先生の救命行為は間違ってなかった。

犯人が憎いが甘美な死は今の彼にあっては最もあたわぬものだ。

 

32人が焼き殺された卑劣を、犯人ごときで軽んじることはないだろうが、償えとは強く感じる。