(これは10年前のくらいのエッセイです)
「かぐや姫の物語」、やっと見る勇気が出ましたのでみました。
見終わって、しばらく言葉を失いました。
なんだかものすごい映画です。
居心地のいい作品です。あんなに長い尺なのに、少しも疲れなかった上、見終わってすぐにもう一度見なくちゃって気持ちになっていました。アニメじゃありません、映画です。
年配の視野でなくてはああは描けないのに、表現の若いこと、瑞々しいこと。
あのシンプルさにも驚きました。ずーっと居心地がいいだなんて。ずっとスタートで、ずっとゴールで、ずっと続いてて、でも見終わってて。
キャラクターを好き嫌いって言わないで済む作品って滅多にないんだけれど、この作品は、映画全部を見て、ふうぅっって大きくため息をつけるのでした。お腹の底から息ができる感じがして、ものすごく嬉しくなりました。
ジブリ、凄い映画作ってたんですね。いやぁ、凄い。凄い。
「奔放さ」を表現するのって、どこか派手になったり、見せ場っぽくしたりするんだけれど「かぐや姫の物語」のそれは、なにも嫌みにならないし、いやらしくない。今の邦画でこういう奔放さを自然体に醸せるチャンスあるんだろうか。
着物をまきあげる瞬間や、縦位置にダダダと走り出してぶさまになってる瞬間があんなに綺麗な表現でできるだなんて。
凄い映画ですね。本当に本当に嬉しくなりました。ああ、すごい。すごい。すごい。
P.S まんが版の「Gu-Gu-ガンモ」の最終回を思い出しました。あれもものすごい作品でした。
こういう感情の昂(たかぶ)りにたどり着かせてくれる物語って、本当にうれしくな利ます。