その方は、毎週水曜日か木曜日に必ず訪れる。
3ヶ月くらい前から二人組で来ている。キリスト教みたいなヤツである。
私ははっきり言って特に宗教には興味がない。

もちろん、一般的な日本人として神社に初詣に行って毎年お札を買う、とか、
葬式では、お寺のお坊さんがお経を唱えることとか、
法事にご先祖にお坊さんがお経を唱えるとか、そういった習慣に全く疑問を持ってない。
なぜ、毎週来る、興味のないキリスト教徒の話をいちいち聞いているのかというと、
その人の真意を知りたいからである。
この人は、一体何のために毎週毎週話に来るのか。
何の利益があって来るのか?
最終的に、何が目的なのか?
ここ数ヶ月間聞いていると、この人、ただただキリスト教を広めたいという気持ちだけで、
来ているんだなぁ、と思うようになってきた。
神の存在について、聖書を読みながら、聖書の解説をしてくる。
聞けば聞くほど、疑問が湧いてくる。
「じゃぁ、あなた、初詣とか行かないんですか?」
「死んだら、お坊さん呼ばないんですか?」
「家族みんなで、キリスト教なんですか?」
「旦那さんがキリスト教じゃないんだったら、お墓は別々なんですか?」
そういう素朴な疑問を次々と投げかけてみた。
困る様子もなく、普通に質問には答えてくれた。
その人がいうには、神は未来を予言していて、死も苦しみも悲しみもない世の中がやってくるそうなんですよ。それは、「楽園」だそうです。
は?
「まず『死が無い』の意味がわかりません。」
さすがに『死が無い』についての説明はできないようでしたが、
本気で神の存在を信じてるんですね。
ズバリ、それは「エホバの証人」という団体の人です。
あぁ、もう、ムズムズするんですよ。なんなんすか。あなたたち。
この寒い中、人の家に来てピンポンして。
神を信じない人はその楽園に行けませんよ〜かわいそうだから助けてあげる、と言いたいんですか。
はっきり言って、頭がどうかしてますよ、って言ってしまいたいのですが、
まぁまぁ話が面白いので、もうちょっと我慢して話を聞こうか。
じゃぁその楽園て、いつできるんですか?何年の何月何日なのか、知ってるんですか?
人が死ななかったら人口が増えすぎて困るんじゃ無いですか?
そんなわけねーだろ!!
いや、私は、何者でも無い自分を信じてます、って、次来た時に、はっきり申し上げてみようと思います。
