「我が忠勇なるジオン軍兵士達よ。今や地球連邦軍艦隊の半数が我がソーラ・レイによって宇宙に消えた。この輝きこそ我らジオンの正義の証である。決定的打撃を受けた地球連邦軍にいかほどの戦力が残っていようと、それはすでに形骸である。あえて言おう、カスである、と!」(ギレン・ザビ)
説明なしで前回からの続き。
ソーラーレイ・システムから発射されたレーザーは、和平交渉に赴いていたデギン公王とレビル将軍以下の主力艦隊に炸裂。かなりの艦艇を宇宙に消し去ります。
WBからもそれが見えていて、アムロは全滅ではないがかなりの被害が出た事を察知します。
ここでタイトルコール。
キシリアのグワジンでもソーラーレイの発射は確認されていて、ブリッジのクルー達がザワザワ。キシリアがはっきり報告しろ!と一喝すると、ソーラーレイの照射範囲、敵主力艦と同じ位置にデギン公王の座乗艦「グレート・デギン」が確認されたとのこと。
キシリアはそれを怪しく思います。
連邦艦隊はルザル(主力艦かな)が指令を出していて、混乱の中、WBを中心に残存戦力を集結中。
まあ、WB目立ちますからね。理にかなってると思います。
アムロも通信を聴き入っていますが、どうやらソーラー・システムに似た兵器が使われたらしいという情報をゲットします。
ア・バオア・クーではギレンが上のような演説中。
劇場版とは微妙に違っていますが、大意はだいたい同じです。
ジーク・ジオンを叫ぶ声が少人数に聞こえるのが非常に残念。
連邦はNフィールドとSフィールドの二方面から攻撃を行うことになります。WBはルザルを旗艦としてSフィールドから侵攻予定。
戦力不足が危惧されますが、アムロかハッタリを効かせて大丈夫だと太鼓判を押し、作戦スタート。
作戦開始した直後、アムロはフラウに優しく声をかけます。今までになかった事ですね。
でも、すでにフラウはハヤトとデキています(笑)。
カツ・レツ・キッカにもバレてるくらいだから、みんなわかってるのかな。
アムロ、セイラ、カイの三人のエレベーター内で、先ほどのアムロのハッタリについてカイに聞かれますが、すんなりハッタリだと認めます。まあ、この三人は腹括ってて今更ビビる人間達ではないですよね。なんか本当に戦友っていう感じの三人。
そして、戦闘開始。
今までで最大規模です。
ギレンはア・バオア・クー内の指揮所で矢継ぎ早に指示を飛ばしています。
かなり迅速、かつ、的確。
最初で最後にみるギレン総帥直々の戦闘指揮です。
そこにキシリアのグワジン到着。
ギレンは艦艇数の合わない事を訝しみます。
多分、グレート・デギン消滅の報告の後、幾らかの戦力を他所に回したのかなぁと思います。
ギレンと争った時の事を考えているのだと思います。
専用のゲルググを失ったシャアにはジオングを与えます。完成度80%ながら、ブラウ・ブロのような部分的サイコミュを取り入れたMSだそうです。
80%と聞き、やや残念そうなシャア。
ギレンの指揮は冴えていて、マゼランタイプ撃沈の報が届きます。ギレンの頼りは空母ドロスのよう。そこにキシリアが合流。
エルメス撃沈について、ガンダム1機に手こずってると当てこするギレン。キシリアは少しでもNTと思える者を当てるため、ジオングを出すと話します。
これを聞いたギレンは「またシャアか。。。」といい、さらに「こだわりすぎるなぁ」と嘆息を漏らすようにつぶやきます。
ここ、もしかすると、シャアの正体をギレンも知っているのかも知れないです。
知らなければ、別に嘆くような言い方をしなくても良いハズですし、劇場版ではただの感想と言うか皮肉っぽく同じセリフを言ってますが、TVだとどこか少し心配して言っているようにも聞こえるんです。明確に反対ではないけど、「危ないなぁ」程度には思っているんじゃないかなぁと。
続いて、キシリアはグレート・デギン消滅について聞きます。ギレンは暗にデギンはグレート・デギンと共に消えた事を認めます。
それを聞いたキシリアの瞳がゆらめきます。
連邦も多数のMSを繰り出し、戦況はさらに激化していきます。
ここで、MS投入のシーンに、ダイターン3、鉄人28号、ライディーンが見えてます。3機ともジムの盾を持っていて、非常に小さく荒い作画ですが、確かに確認できます。
ダイターン3もライディーンも富野監督作品ですが、鉄人28号はさすがに(笑)。
古き良き時代のスタッフ達の遊びです。
激しいMS戦。
若干ジオンの方が優勢に見えなくもないです。
それをみてギレンが
「圧倒的じゃないか、我が軍は。」
とほくそ笑む所でアイキャッチ。
ジオングの元にいるシャア。
整備兵は80%どころか、100%イケる!と太鼓判を押します。足がない事をシャアは気にしますが、それすらも「あんなの飾りです!」と言い切ります。
まあ、確かに宇宙空間で使うんだったら足はいらないですね(笑)。
自分のNT能力について不安なシャアはサイコミュについても聞きますが、この整備兵、ハッキリ言う性格で、あんたの能力は未知数なんだから、んなもん知らんよ、的な返事をします。
シャアは少しスネたように
「はっきり言う。気にいらんな」と言うと、
MSに乗せて100%性能を出してもらう事が自分の仕事とやっと気付いたようで、
「大佐なら上手くやれますよ!」
と気休めを言いますが、
シャアにはそれで十分だったらしく、
「ありがとう」と返し、
ジオングに乗り込みます。
ややジオン優勢で進む戦況にギレンは満足気ですが、キシリアの守るSフィールドに新たな敵艦隊が出現。ギレンはあんまり危機感ない感じでキシリアに任せます。
キシリアはシャアのジオングを出撃させます。
ギレンは勝利を確信している様子でキシリアにこれくらい平気だろ?的な声をかけます。
キシリアは答えつつも、
(父殺しの男が)
と内心では毒づいてます。
シャア、赤くないMSで初出撃。
自分にNTの素養があるか心配しているのに、相変わらずノーマルスーツなし(笑)。
でも、見事連邦の艦艇を沈めます。
シャアにとっては願ってた通り、「Sフィールド上の新たな敵」はWBを含む艦隊でした。
ガンダムの攻撃を感知して躱した後、ガンダムに襲いかかるシャア。
お互い致命傷になりうるような砲撃を躱しまくります。
ララァの死を経てシャアもNTに覚醒したようです。
サイコミュを搭載した有線ハンドビーム砲によるオールレンジ攻撃も出せてます(アムロには躱されましたが(笑))。
アムロはシャア以上のNTだと認識しましたが、今はコイツの相手をしてる場合ではない事を冷静に判断し、ア・バオア・クーへの上陸を優先します。
そのア・バオア・クー内ではギレンが
「Nフィールドはドロスの隊で支えられそうだ」
と満足していますが、
その背後にはキシリアが。
彼女の眼が光る!
そして、ギレンに父を殺した理由を聞きます。
ギレンはあっさり、タイミングずれの和平交渉が無意味だからと答えます。
キシリアは殺す必要はなかった、と銃を構えますが、ギレンは「冗談はよせ」といって取り合いません。
「意外と兄上もお甘いようで」キシリアの銃が火を噴き、ギレンは頭を射抜かれます。
ギレンはキシリアが自分を討つとは全くと考えていなかったと思います。キシリアの才能は手腕は認めていて、自分に近いレベルと思ってはいたので、シャリア・ブルを送り込んだりしていましたが、ある程度キシリアは自分と重なる思考回路の持ち主だと思っていたんではないかと。なので、戦争がこの局面にある限り、すぐに敵対はしてこないと読んでいたのかな。
ギレンにとって国内での仮想敵だったのは、お飾りとはいえ、一応ジオン公国のトップ、公王である父デギン。いざとなれば立場を使って自分を掣肘してくる可能性があり、実際、「連邦との和平交渉」という戦争勝利を目指す自分の邪魔になったので、消し去りました。
で、この激戦の要になるのは自分の指揮だと言うのもわかっているから、珍しく自ら直接実戦指揮。
そんな自分を討てばジオンが負ける事を熟知していたので、まさかキシリアが自分を討つとは思ってなかったんでしょう。キシリアと争うならこの先だろうし、キシリアなら父が邪魔になった理由を納得してくれるだろうと。
でも、キシリアは違ってました。ギレンよりもやや才が劣るため、ギレンのこの迅速かつ容赦ないやり方に恐怖したんじゃないかな。
もともと、いずれはギレンと争うつもりだったろうし、それは前回のシャアとの会話でも匂わせていましたが、連邦の主力と国内での自分より上位者の双方を、成立すれば自分が窮地に立つ和平交渉という場で両者とも一撃で叩き潰す。
そして、間違いなく、次はキシリアの番です。
連邦に勝ったら、ギレンの次に権力のあるキシリアを粛清するのは間違いないし、肉親の情なんて全く期待できないのは証明済みですし。
で、父殺しの大罪人で、その言質も取ったんで大義名分は立つし、油断しきってるし、どうやら連邦には勝てそうだし、と言う事でチャンスを最大限活かしたんでしょう。
だからこそ極上のチャンスを目の前にして、眼が光ったんだと思います。
そして、なんと、ギレンの死とほぼ同時にギレンが頼りにしていた空母ドロス撃沈(笑)。
キシリアは自分の正当性をアピール。
トワニングがそれに乗り、一応指揮所は再開。
Nフィールド防衛の要たるドロスが沈んでしまったので、
「Nフィールドへモビルスーツ隊を!」と指示。
で、Sフィールドを見ると、25隻中10隻は沈めたけど、残りは上陸しつつあるので、
「Sフィールドにモビルスーツ隊を集中させい!!」
どっちやねん(笑)。
まあ、これは防衛にかなり混乱を来たしそうです。
WB隊は絶好調で、カイ、ハヤト、セイラ大活躍中。
ブライトとミライもさっきの混乱に気づき、ジオンの指揮に綻びのある事を確信します。
アムロは獅子奮迅の活躍で、MS隊のために上陸への血路を開いています。
シャアはガンダムにこだわりすぎて、ガンダムを見失ってしまってからは思うように戦果を挙げられていません。
次第に連邦が優位に立ってきて、NフィールドにもMS隊が上陸開始。
そこで、やっとシャアがガンダムを発見。
「見えるぞ、私にも敵が見える」。
キシリアは思ったよりも活躍していないゲルググやリック・ドムについてトワニングに質問。
どうやら学徒兵が多く混じっているとの事。
戦争末期の亡国的症状ですね。
キシリアは
「総帥がニュータイプにもっと早くお気付きであればな」
とか言ってサラッとギレンのせいにしてますが、いや、それはないでしょ(笑)。
アムロとシャアの戦いの中に飛び込んできた学徒兵の悲しい最期の描写などがありつつも、激戦を繰り広げるアムロとシャア。
そんな中で、シャアの焦りを伝えるナレーションが入り、今回は終了。
次回、最終話です!