「私には姉に対しての立場だってあるんだよ。家族のいない君にはわからない苦労さ。」(ガルマ・ザビ)


タイトルの後、各所に食事を告げるフラウ。

でも、アムロは全然うわの空で不眠を訴えています。それを聞いて医者の玉子のセイラに話してみようかと提案するフラウ。確かにちょっとウザいかな。アムロらしくないとまで言っちゃいます。

アムロも反論。正直言って、アムロの方が正論だと思いますよ。正規軍人でもないのに、戦うことを強いられて、人を傷つけることを命じられれば、イヤにもなるでしょう。

でも、自分達は囮でその隙に連邦は新兵器を開発しているのではないか、と考えてしまうアムロも少し考えすぎ。

まあ、囮というのは正解だと思いますが。 


ブリッジでは参謀本部と暗号通信で連絡が取れますが、自力でなんとか抜けてくれとの事。ブライトともリードも憤慨します。

でも、ジオンへの投降を選択肢として考えているあたりがリード中尉たるところでしょうか。

ブライトは怒りを通り越して呆れています。


食堂ではカイがタムラ料理長に噛み付いています。なんでリュウとアムロだけ量が多いのかと。

タムラいわく、ブライトの指示で彼等には正規パイロット並みの扱いにしているとの事。


これ、今の軍隊でもこうなんですかね?

「作業量」でカロリーを決めているとタムラは言ってますが、「作業量」なんて曖昧なものでカロリー決めちゃダメでしょ。

カツ、レツ、キッカはその言い争いの隙にちゃつかとトマトをゲット。逞しい子供達です(笑)。


キッカからトマトを分けてもらったアムロは少し元気を出して食堂へ。さっきの態度をフラウに謝ったりもしてしますが、子供の食事をつまみ取る老人を見て、またつむじを曲げてしまいます。自分の食事をその子供に与えて食堂を去り、自室でトマト齧ります。


状況打開のためにパトロールを出す事にしたブライトはアムロにそれを命じますが、アムロは拒否。

わざわざパトロールを出してこちらから仕掛けるのはナンセンスだというアムロの主張は正しいですよね。

この時代、レーダーを撹乱するミノフスキー粒子の発見があるので、目視確認できるまで相手に近寄らなくちゃならないし、相手を目視確認するという事は、自分達も目視確認されるという事ですからね。


とりあえずリュウがアムロとブライトの間に立って、自分とハヤトでパトロールを請け負います。


民間人だったハヤトがコアファイターで出撃したのには度肝を抜かれました。いや、シミュレーターだけではできないでしょ。よほどセンスがあるのかな。だって、ハヤトってサイド7出身ですよ。コロニーって地表に当たる内壁部分は遠心力による擬似重力が働きますが、空に当たる中心部は無重力なんですよね。だから、ちゃんとした重力下での飛行訓練を受けたことないハヤトが、重力下で戦闘機を操縦できてるのって、異常だと思いません?無重力である宇宙空間ならまだしも。


ガウの中ではガルマがドップで発進しようとして、シャアに止められてます。ガルマは上のようなセリフを言ってシャアの忠告を無視します。

うーん、キシリアだったら司令官が戦闘機に乗って戦場に飛び出たりしたら、激怒するんじゃないかなぁ?

あー、でも、マ・クベにギャンを、シャアにジオングを渡して前線に出すような人だから、案外、司令官自ら前線に行け!とかいうタイプなのかなぁ。


どちらにせよ、コアファイター接近の急報が入り、ドップは一旦発進停止。


ハヤトはガウへの攻撃許可が出ないことをなんで?と嘆いていましたが、いやいや、たった2機の戦闘機では無理だから。

リュウはその辺良くわかっていて、あと6機は欲しいと冷静な判断。


WBがパトロールを出していた意図はシャアに見事に読まれていて、パトロールのコアファイターを追って、WBを目指す事に。

いわんこっちゃない。


WBとしてはMS隊を発進させてガウに備えたいですが、アムロが断固拒否。それどころか、みんなもそのうち自分の気持ちがわかるとまで言います。

説得していたフラウの手に負えなくなり、ブライトがきます。


ブライト的には弾薬は足りなくなってきたし、

でも援軍は来ない、

リード中尉はヘタレで投降を考えているし、

食事なんかで厚遇していたつもりのアムロは言うこと聞かないし、

でストレスいっぱいなのでしょう。

言い争いつつ、アムロを1発殴ります。


アムロに「殴ったね」と言われてからは

「殴って何が悪い!」と言ってはいますが、顔背けちゃってるんです。彼にもやりすぎたというか、後ろめたいというか、後悔してる気持ちがあって、自分を完全に正当化できないから正面からアムロとフラウを見れないんです。

「僕がそんなに安っぽい人間ですか!?」とアムロが反論したところでアイキャッチ。


励まし合いながら前線に出るカイ、リュウ、ハヤト。


ガンキャノンとガンタンクを見てのガルマなりの分析は、ガンダムがなんらかの理由で出られなくなったのでWBが焦っている→今がチャンス。

ということで、左のエンジンに攻撃を集中。


この攻撃指示は有効ですよね。

エンジンのみ遠破壊して丸ごと捕獲するつもりです。


ブライトはさらにアムロを殴り、

「二度もぶった!親父にも打たれたことないのに!!」という名言を引き出します。

このセリフの後、よく見るとブライトは一歩後ろに引いてから、それがあまったれで、殴られもしないで一人前にはなれない的な事を言ってます。

一歩引いてるのはやはり後ろめたいのかなぁ。

殴るのは良くないとわかっててでも殴っちゃったと、逆ギレっぽいセリフを言ってはいるけどそのまま強引につかみかかるわけでなく、一歩距離を引いたのは、少し冷静なんでしょうね。


そういえば、Ζ以降のブライトってめちゃくちゃ子煩悩で、絶対にハサウェイを殴ったりはしてないと思うんですよね。「逆襲のシャア」でも叱っただけだったし。

カミーユや、ジュドー、バナージなんかも殴ったりはしたことないし、むしろジュドーには自分の事を殴らせたくらい。

ああ見えてそれなりに温厚で、殴ったことについて、悪いことした!と思ってるんだろうなぁと。


ブライトは最後にシャアを引き合いに出す捨て台詞を投げてブリッジに帰りますが、それを聞いてアムロの火がついたようです。

自分が出るというフラウとおさえて、出撃。

その時ちゃんと画面端の方で心配そうにブライトがみてます(笑)。


ガウではシャアがガルマの戦闘を褒めつつ、プライドの高い彼を無理に援護したら怒られると、周りのスタッフを牽制。同時に何かしらのケーブルを細工してます。

このケーブルやたらデカいですが、1979年当時の想定の限界なのかな。


あと、親の七光りで大佐になったのではない、とシャアが言ってることからガルマの親はさぞお偉いさんなんでしょうね。まあ、種明かし的にはデギン公王の末子なんですが、ここまでのストーリーではそれについての直接な言及はないです。


発進したアムロはガンダムをピョコピョコジャンプさせて、空中でドップを撃破していきます。

それをみたブライトはすかさず、着地時を狙い撃ちされないよう援護せよとガンキャノン、ガンタンクに指示。的確ですね。

そして、アムロをフラウにはアムロを褒めたりもしてます。


ブライトは見た目通りのかなり不器用なキャラなんですね。ちゃんと気を遣った待遇を与えたりとか、擁護したり褒めたり、殴ったのを悪いと思ったらしてるんですが、本人の前ではそうは振る舞えない。愛すべきキャラクターですね。


ガンダムの攻撃をすんでのところで躱したガルマはガウに通信を入れて、そのビームの射程にガンダムを誘き寄せますが、ガウからは一切反応なし。ガンダムはガルマに追いすがりますが、そこに連邦のミデア輸送機が現れて、深追いを諌めます。


ガウではガルマがカンカンに怒ってますが、シャアに上手いこと丸め込まれます。

アムロの攻撃を交わしたとこを見ると、ガルマの腕は悪くないんですよね。ただやっぱ、色々と甘い。シャアが狡いぶんだけ、さらに甘さが目立ちます。


WBでは、ミデア輸送機できたマチルダ少尉による補給とリード中尉とその手下、避難民の中の病人の引き取りが始まります。

その他は現状維持とされます。

なんでやねん?というブライトの質問に対して、レビル将軍の一存と答え、連邦の中にもWBを見捨てない勢力がいるんだと伝えるマチルダですが、裏を返せば、WBなんて見捨てたいという勢力の方が大きいんですよね。


ストーリー外でいうなれば、レビル将軍の肝入りで始められた連邦によるMS開発計画「V作戦」ですが、MS開発自体を快く思わない連邦の幹部もいるわけで、ルウムとかでジオンのMSに苦い思いをさせられた軍人達も、同じ兵器を開発するという事についてあまりいい感情を持ってはいないですよね。

その点、レビル将軍はさすがだし、彼を慕うレビル派の軍人はガルマが抑えてるジオンの勢力圏内に輸送機一つで飛び込んできちゃうマチルダのような人がいるんですね。


そんなマチルダの去り際を憧れの目で見るアムロとアムロに舌を出すフラウで今回は終了です。


次回、タイトル次第が盛大なネタバレですが、転換点の一つなので、楽しみです。