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(2013年5月8日記事の再レビューです。)
地獄に落ちる覚悟がなければ、役者という仕事はできないのだろうか。
ひし見ゆり子という女優さんは、私の中ではもちろんアンヌ隊員である。
ところが、小池一夫ワールドに入ってしまうと、女忘八者を体当たり演技どころか、嬉々(鬼気?)として演じている。
・・・今の若手女優さんには無い凄みを感じる。色々な顔があるのですね。さすが名女優です。
さて、開始直後のタイトルロールで、「この映画はこういう映画です」と、非常に解りやすく訴えてくる。
はっきり言うと「エログロバイオレンス」です。スプラッターも入ってます。
裸の女性が大挙登場し、映画の大半で女性はスッポンポンである。ひし見さんも、服を着ているより裸の方が多い気がする。
女忘八は裸で飛んだりはねたり、JAC顔負けのアクションをする。スローモーションで。
小島剛夕の描くヌードチャンバラを見事に映像化、女性の裸の躍動を美しくとらえているという意味では貴重?
丹波哲郎先生は、終始ニヒル。命のあり様などどうでもよく、死に場所を探す事を楽しんでいる様なお方。その名も「明日死能」。そのまんまだ。但し、なめた事をされると内心腹が立つらしく、忘八お試しの時にも最後に女中に小馬鹿にされて、無言で女中の耳を切り落とした。結構生真面目な部分があり、忘八テストには失格したが、吉原の元締めには気に入られ、結局地獄道へ。
小池一夫先生が描く忘八者は、(子連れ狼もそうなんだが)あんまり悪い人はいない気がする。むしろ情に薄い様で厚く、しきたりを守り、統率が取れた・・・と言う様な面が際だつのだが。
さて、映画を見終わって、歴史の勉強になったんだかならなかったんだか。教科書には載っていない事は確かなので、この映画を作った皆さんには感謝せねばなるまい。
ひし見さんは・・・良い女優さんですねえ。