明け方近く、「カサカサ」という物音に、パッと飛び起きる。
枕元のLEDライトを取り出し、音のした方を照らしてみる。
GKBRの立派な成虫が、私の部屋に侵入していた。
750ルーメンの強烈な光を当てられたGKBR。
次の瞬間、不思議な事が起きた。
GKBRはひっくり返ってもがき、やがて元の体勢に戻ったが、動きを止めてしまった。
(但し死んではいない。)
不思議な事と書いたのは、虫には正・負の走光性というのがあって、360nm前後の光に集まってくるのが正の走光性、逆にGKBRの様に光を避けて逃げるのが負の走光性である。
LEDライトの光は360nmより上の波長なので、虫には見えにくい、というか見えないはずなのだ。
しかし、光を当ててひっくり返ったのは事実だし、嫁も確認している。
タクティカルライトの強力な光は、人間が直視した場合でも一時的に視力を失う。目くらましという意味では、立派な武器である。
「これは、GKBRの動きを封じるのに有効なのでは?」
殺虫剤を使わずに動きを止められるなら、それは良いことだ。
しばらく実験してみる。
