宮沢賢治の音の前に・・

10年くらい前、沖縄県西表島に行きマングローブをカヌーで散策したことがある。

時期的な事もあってかガイドの方を含めて3人しかいなかったがその時の衝撃を今でも忘れられない。

 

無音なのである。

 

漕ぐのを止め、話すのを止めると無音。

 

生き物の声、植物の葉音も聞こえない時間があって、数秒だったかもしれないがこんな経験したことない。家の中での無音とは別物。人工物に囲まれた静かさと360度自然物に囲まれた静かさは全然違う。

 

日常は自分がいて片隅に自然が有る。でも・・その時は自然の中の小さな自分。そして無音から感じる動植物の存在。無音の時間が過ぎて、鳥の鳴き声や風の音。パドルを入れた水の音・・本当に神秘的な時間だった。

 

沖縄と岩手は全然違うと思うが

宮沢賢治の音。故郷岩手の音。自然界の生き物の音。通常では聞こえない声や音が山や川や空や森から聞こえていたのだろうなと思う。山や川や空や森にいる生き物や星空を見て色んな会話をしてきたのだろうなと思う。