ブログタイトルにもあるように

国語や本の世界が大人になって好きになりました。なので論理的な解釈などではなく個人的な思いを書いていきたいと思います。ブログ開設記念すべき一回目は・・

 

宮沢賢治 「眼にて云ふ」です。前半は出だしから「だめでせう とまりませぬな」と軽いのか重いのか分からない出だしですが後から強烈な描写がはじまります。病床の中、眠れず血を吐いて止まらない様子やお医者様が一生懸命手当てしている様子が描かれそんな中「青空」「きれいな風」といった言葉が入ってきて「あー死ぬ直前ってこういう境地になるのかな」と思いながら読みました。そして最後・・

 

  「あなたの方からみたら

   ずゐぶんさんさんたるけしきでせうが

   わたくしから見えるのは

   やつぱりきれいな青ぞらと

   すきとほつた風ばかりです」

 

この最後の5行・・・ひかえめに言っても最高。覚悟を決めた人から見た日常の景色はこんなにも鮮やかで爽やかで清々しい世界なんだなと思うと心が打たれます。死に直面していなくても何か一生懸命やっている人を馬鹿にしたりする人いません?「どうせできないのに何でそこまでやるの?もうやめたらいいのに」と思った事ありませんか?でも覚悟を決めた人ってそんな外野の言葉や視線なんて気にしていないのかもしれない。寧ろ心の中は本文にあるようなきれいで透き通った世界が見えているのかもしれない・・と思うと何て素晴らしいんだー!と叫びたくなります。宮沢賢治最高です。