最近将棋の夢をみる。
こないだは橋本七段に、昨日は豊島六段に将棋を教えてもらう夢をみた。
私は将棋はできない。駒がどこに進めるかは知っているし、穴熊とか矢倉とか中飛車とか藤井システムとか、メジャーっぽい名称は知っている。
でも実際穴熊がどんな囲いかは知らない。中飛車は何手目で飛車を振るのかも知らない。
でも将棋の夢をみる。そしてそこには、棋士がいる。
私は棋士を見るのが好きなのだ。
棋士は指が綺麗だ。スーツの着こなしがなぜか変だ。なぜモミアゲを落とす?ペリエの音を聞くってどういう事なの。あっくんの目ヂカラー!って掛け声、最後までテンション上がりきらなかったなおい。
気になる。気になる。とにかく棋士の人が気になる。
私がなぜ将棋を見るようになったのか。それは橋本七段の存在が大きい。
橋本七段について調べてるうちに一二三九段を知り衝撃を受けて今に至る。
夫の存在も大きい。夫に銀星将棋のDSソフトを買ってきたらあっという間にクリアしてしまった。
夫の将棋熱を冷まさないようにハチワンダイバーを買い揃え、3月のライオンを買った。夫はそのうち将棋の書籍を買うようになり、盤を買い駒を買って、何月か前は将棋大会に出場していた。
将棋は元々好きらしい。
私は将棋楽しむ夫を楽しむ。たまに一緒に指したりする。
当然ながら勝負にならない。なのでハンデを沢山つけてもらう。
一番酷いハンデは、彼が取った駒が私のものになるというもの。彼が攻めてくるごとに私の駒が増える。
酷すぎる。
歩と金銀だけ私のものになる、というようにルール変更もできる。
ハンデのバリエーションはまだある。
ピンチになると私が五手続けて打てる。
(でも五段から先には指せない)
じゃん拳将棋もある。勝たないと指せない。最初から三回連続で勝てば勝てる。
「それ大丈夫なの?」システムもある。私がマズイ手を指すと夫が「それ本当に大丈夫?そう指すとこれがこうなるよ。こっちだとこれがこうなるよ。」と教えてくれる。
さらに、私の方は穴熊が組み終わった状態からスタートというものもある。ちなみに私はこれでも勝てない。
どれだけ私が将棋ができないかが理解していただけたと思う。
将棋の書籍を読んだり、将棋の番組は見るのに、私の場合それは全く身にならない。
実戦でも身にならないのだから、文句なしに将棋に不向きな頭脳をしてるといえる。
でも棋士を見るのは好きだ。
しかし確かに解説の意味がわかったらいいのに、とも思う。解説を聞くのは楽しい。
矢内さんが米長会長相手にたまに困ってるのを見るのも楽しい。
深浦九段が解説のときも楽しい。大抵私は「深浦さんはどうしてこんなに胸板があるんだろう。素敵。」と思いながら眺めている。
そう、眺めているのだ。画面の真ん中にある盤は意味をなさない。そこに有るだけだ。
でももし、画面に四つくらい盤がでてきて、「こうなったらこうなる」ってのが全部ちゃんと見えたら「なるほどー」と思える気がする。
このマスにこれが効いているというのが色で見えたら理解しやすい気がする。サッカーの解説みたいに、駒の軌跡がわかったら、意味がわからずとも楽しい気がする。
将棋を指せる人には何言ってんだと思われるかもしれないが、
『将棋が全くわからなくても』棋士達の勝負を楽しみたいし、その環境が欲しいと思う。
そもそも、サッカーだってテニスだって野球だって、別に自分は出来ないけども見てればそれなりに楽しいわけで、別に頭脳プレイの将棋だって出来ずに楽しんでもいいじゃないか。
将棋関係者の本意ではないかもしれないが、人は基本的に勝負だけ見てても楽しめる、と思う。
将棋がわからなくたって、『竜王戦で渡辺竜王が3連敗から4連勝で返した』ときけば
おぉ~~すげーー!と思うわけである。渡辺竜王って年同じくらいかぁぁ!と思う。
わくわくもするしドキドキもする。
誰かを知っているだけで、内容が分からずとも勝敗を見るだけで楽しいのである。
夢の中で、私は棋士達を間近で見る。
今度は、大画面で将棋を見つつ、「えー!スーツのサイズ合ってねぇ!」とかツッコミつつお酒を飲んで
将棋はまっったく分からないけど棋士は気になるって人で盛り上がってみたい。
スポーツバーみたいにさ。