「不育」を知ってから3年は経つ。

私は最初「医学的にどうなっているのかが知りたい」と思った。医学的に、臨床として、どのように扱っているのかが知りたかった。

幸い、不育の研究で今や超有名になった病院の先生の論文を掲げている人のHPに行き当たり、その他に医療者から見たその先生の意見を掲げた不育についてのいくつかを見ることが出来た。

そして「不育は『発展途上』の分野だ。」と感じた。

 

元々「習慣性流産」としての認識は産科婦人科の世界でもあったようだが、流産が自然淘汰の結果である、という認識、年齢が上がれば流産率も上がるという統計などから(実際、私や「高齢」と認識されている人は産科の医師からそのような理由で、不育に関しての検査を勧められる事がほとんどないようだ。)クローズアップされる事もあまりなかったのかもしれない。

不育について調べていた頃、ある不妊クリニックの医師が「不育の医者は子宮・卵巣を見ずに妊娠を語るから」と不快に語っていた、という話を聞いたことがあった。確かに妊娠・出産といえば女性の子宮・卵巣を診る事が常識なので、今当然のように言われている「自己免疫」系から見た観点に違和感がある医師もいらっしゃったのだろう。医者の世界には「縄張り意識」のようなものがあるのでは?と薄々思う事もあるのだが、それでは患者は救えないし救われない。

 

自己免疫疾患から起こる流産と、それを克服する上で不育を研究されている医療者の臨床治療が実績を上げている現実がある、のは患者の実感として感じている。

ここ1~2年で不育を扱う病院が増えてきたし、ネットでも語られ、克服した方のHPも多くなってきた。しかし、未だはっきりした原因は解っていないし、個々に症状や状態・状況が違うので、「たまたました治療が当たった」かのような感じで不育症を乗り越えるような形の人が多いような気がする。まるで民間療法が体に合って病気を克服した状態だ。

医学分野での、いろいろな角度からの研究と臨床に適する治療法が豊富に出来る事を、患者としては切に望むところだ。