ある時、北風と太陽が

「自分が強い」

「いや自分のほうが強い」と

言い争って、

なかなか決着がつかなかった。


そこへ突然、

外套に身をかためた旅人が

現れた。


「こうしよう」

太陽が言った。


「あの男の外套を

先に剥ぎ取ったほうが勝ちだ。

私が勝つに決まっているから、

君が先にやりたまえ」


そこで太陽は雲の後ろに隠れ、

北風は

冷風を吹きに吹きまくった。


しかし吹けば吹くほど、

旅人は外套をしっかり

押さえつけるだけだった。


ついに北風は

ぷりぷりして手を引いた。


すると太陽が顔を出し、

全力を尽くして

旅人を照らし始めた。


暑くてたまらなくなった旅人は

外套をゆるめ出し、

ついにすっかり脱ぎ去って、

木陰に休んで

体をあおぎ始めた。



やっぱり

太陽のほうが強かったのだ!