先日、Warwick Business School(以降はWBS)とESADEの両方からオファーをもらったアプリカントの方から、この2校の違いについて質問がありました。勿論、緑が美しいイギリスの田舎にあるWBSと海と建築が美しいバルセロナ(の郊外)にあるESADEは住環境がだいぶ違うのですが、両校でMBAを学んだ経験を活かして今回はプログラムの中身についてご説明したいと思います。
①プログラムの長さ
基本的にイギリスのMBAプログラムは1年制ですが、WBSの場合は私のように交換留学オプションを選ぶことで、追加で1セメスター(3-4ヶ月)勉強することができます。従い、合計は15-16ヶ月です。あくまでもオプションなので、私のクラスでは多くの人が12ヶ月でプログラムを終えました。WBSで全ての単位を取った上で交換留学するので交換留学オプションを選択した人は他の人よりも単位を多く取得することになります。
ESADEの場合、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月の3つのオプションがあります。いずれの場合も取得しなければならない単位数に違いはないので、18ヶ月よりも12ヶ月の学生の方が忙しくなります。ESADEの友人たちによると、殆どの方は15ヶ月か18ヶ月を選んでいるそうです。会社によって留学に使って良い期間が異なるので、社費の方の都合を考えてこのように細かく3つのオプションを設定したものと思われます。
②選択授業
WBSとESADEの選択授業はクラス構成が全く異なります。
WBSの場合、選択授業を受講するのはFull-time MBAの学生だけではなく、WBSの他のMBAコース(Distance Learning MBA、Global Energy MBA、Executive MBA)の学生も含まれます。私が勉強していたFull-time MBAは常にキャンパスで勉強していますが、他のMBAコースの学生は授業がある時だけキャンパスに来て勉強します。WBSの選択授業は全て連続5日間、朝9時から夜6時までの授業なのですが、他のMBAコースの学生は授業がある週の1週間だけキャンパスに滞在し、また仕事に戻っていきます。ニューヨークやシリコンバレーから通学している人もいました。Full-time MBAの学生は平均年齢30歳くらいですが、他のMBAコース、特にExecutive MBAは年齢が高めになる傾向にあり、その分、役職が高い方も多いです。チームメイトは大企業のCEOかもしれません。選択授業は重要なネットワーキングの場でもある訳です。過去には選択授業のチームメイトを通してMBA後の仕事を見つけた人もいたそうです。他のMBAコースの学生は仕事と勉強の両方を抱える忙しい方々なので、授業のある5日間しかキャンパスに滞在しません。従い、通常、グループワークの発表及びグループエッセイの提出は5日間の授業の最終日になります。日中は授業を受けつつ、授業後に夜中の1時までグループワークをやるような日もありました。
一方でESADEの選択授業はFull-time MBAの学生だけが受講しています。従い、基本的にクラスメートはコアモジュールと変わりありません。クラスメートが全員Full-time MBAということは、全員がバルセロナ(もしくはESADEがあるサン・クーガ)に住んでいるので、WBSのように短期集中の授業にする必要はなく、5日間連続の授業もあれば、1ヶ月の授業、1セメスターの授業もあります。各選択授業の授業時間数や単位は同じですが、集中的に5日間連続でやるか、1週間に3時間の授業を1セメスターというようにゆっくり進めるかの違いだけです。チームメイトはFull-time MBAの学生だけなので、授業期間中にグループワークを終わらせる必要はなく、余裕をもってグループ課題を準備できます。5日間連続の授業を受けた後、1ヶ月くらいかけてチームでコンサルティングプロジェクトを行い、グループ発表をするということもできます。
③ファイナルプロジェクト
多くのMBAはプログラムの締めくくりとして、ファイナルプロジェクトがあります(※名称は学校毎に異なります)。
WBSのファイナルプロジェクトは企業に対するコンサルティングプロジェクトとそのプロジェクトをベースにした論文(15,000文字!)を提出する必要があります。プロジェクトは学校が用意したプロジェクトリストの中から好きなものを選び、応募し、クライアントとの面接で採用されればスタートすることができます。かなり手間はかかりますが、学校が用意したプロジェクトではなく、自ら企業と交渉してプロジェクトを見つける学生もいます。プロジェクト期間は3ヶ月くらいですが、論文を書く期間も考えると、3ヶ月をフルに使える訳ではありません。かなりハードなプロジェクトなのですが、それでもプロジェクトを2つやりつつ、学校に対して論文を1本提出するようなクラスメートもいました。
ESADEの場合、ファイナルプロジェクトは4-5人のグループで行うそうです。グループであればチームメイトが各々の得意分野を活かして、プロジェクトに含まれるFinance、Marketing、Operations Managementのような複数の要素に最大限取り組むことができるかもしれません。勿論、1人でプロジェクトをやる場合と比較して負担も大幅に軽減されます。グループ内で揉めるリスクもあり、フリーライダーが出てくるかもしれませんが、そこも含めてMBAの醍醐味でしょう。それよりも難しいのは、MBA生はそれぞれMBA後のプランが異なりますし、ファイナルプロジェクトは将来のキャリアを見据えた内容にしたいと考えているはずですが、グループの場合は必ずしも個人の要望通りにはならないことです。その為、プロジェクトではなく1人で論文を書くオプションも残されているようです。