最近はイギリスらしからぬ晴天が続いています。数週間前にロンドンで最高気温35度を記録しました(今週は20度くらい)。日本とは違い、湿気がないので気温が高くても過ごしやすいです。
また、この時期は夜8時半くらいまで明るいです。写真は夕食後、夜7時半頃に近所の公園で寝転がって撮ったのですが真昼間のように明るいのが分かると思います。良く整備された芝生の緑が美しいです。プロジェクトと論文で忙しくなり、なかなか季節を楽しむ余裕がないのですが、たまには公園を散歩するのも気分転換に良いです。
(前回の続き)
LNGプラントを建設したい会社("Sponsor"と呼ばれる)はまず、Special Purpose Vehicle(SPV)と呼ばれる子会社を設立します。SPVはプロジェクト・ファイナンスを通じて資金を調達し、実際のプラント建設を行うEPC(Engineering, Procurement & Construction)コントラクターへ発注を行うことになります。SponsorはSPVから得られる配当を通じて収益を上げることになります。
完工後、プラントは20年程度、運転することが多いですが、生産物の売り先が見つからないリスクや価格が安定しないリスクを回避する為に、SPVは顧客と長期の販売契約"Off-take Agreement"を締結していることが望ましいです(電力であれば"Power Purchasing Agreement")。逆に長期の販売見通しがなければLenderが資金を貸してくれる可能性は低くなるでしょう。
Lenderにとって最も恐ろしいことは、建設が完了しない事態及び建設完了しても運転できない事態です。そのような事態になればLenderは1ドルもリターンが得られなくなります。従い、プロジェクトは定量的に評価されるだけでなく(利率、売上、コスト)、様々な面から定性的に評価されます。例えば、プラント建設予定地の政治的なリスク、EPCコントラクターの技量・経験、プラントに使われる技術の成熟度なども重要な要素となります。
FEAでは風力やLNGプラント建設に関わるケースを与えられ、Sponsorの立場からそのプロジェクトを実行すべきか否か、そのプロジェクトは"Bankable"か(プロジェクト・ファイナンスにより資金調達できる見込みがあるか)の評価をしました。
4月にFinancing of Energy Assets(以降、FEA)を受講しました。この授業は本来、Global Energy MBAというエネルギー業界経験者向けのパートタイムMBAが開講している授業なのですが、Full-time MBAの学生もエネルギー業界の経験があれば受講することができます。殆どの選択授業は5日間、連続で開催されるのですが、FEAは連続3日間の授業+複数回のオンライン授業でした。
Global Energy MBAの学生にはUtility(E.ON、National Grid等)、Oil & Gas(BP等)、メーカー(GE、Alstom等)、英国政府(Department of Climate Change等)、コンサル、金融等、エネルギー業界に関わる様々な方がいらっしゃいます。FEAはエネルギーに関する様々な面のスペシャリストたちと議論を重ねることができるとても貴重な機会でした。
FEAの授業は通常のコーポレイト・ファイナンスの授業とは違い、プロジェクト・ファイナンスに特化しています。企業が将来のプロジェクトの収益を担保に建設・運営資金を調達する形態をプロジェクト・ファイナンスと言います。
例えば、LNGプラントの建設プロジェクトであれば、建設完了し、プラントを運転開始した後に得られるLNG販売の収益の一部をプロジェクト・ファイナンスによる借り入れの返済にあてることになります。資金を貸す側はLenderと呼ばれ、主にCommercial BankやDevelopment Bankがその役割を担います。
(次回に続く)