お越しいただき有難うございます。


今回ちょっとだけ長くなってしまいました。次のお話しで二人の距離をより近づけられたらと思いまして・・・。

相変わらず進み方が遅いですがお付き合い下さい。


ではお話しに。


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「わぁ~」


色鮮やかに盛り付けられたデザートが置かれているテーブルまで走って行った。何があるのか嬉しそうに見た後、テギョンの方をニッコリしながら振り向いた。


「オッパ、ありがとうございます」


テギョンの所まで駆け寄り勢い良く抱きついた。ミニョの喜ぶ顔を見て頼んで良かったと改めて思った。


「さっきレストランを出る時残念そうな顔をしてただろ?。あの時のお前の顔が忘れられなくて・・・。ご褒美だ、好きなだけ食べろ」

許可を貰ったと直ぐにテギョンから離れニッコリしながらどれから食べようか迷い始めていた。


(あいつは俺より食べ物のが優先か・・・)


フォークを持って悩んでいるミニョを口を尖らせながらテギョンは見ていた。



「オッパ、早く座ってください。一緒に食べましょう」

待ちきれないと手招きをする。

“先に食べていい”と言うと最初に食べるデザートを決めいたようで一口食べては満足そうにテギョンを見る。


「オッパ、さっきのお食事でお腹いっぱいですか?。食べますか?」


テギョンのフォークを取り、甘さを控えたチョコレートケーキを少し掬ってテギョンに差し出すとテギョンが首を横に振った。


「お前が食べる姿を見ているだけでお腹いっぱいだ。俺の分も食べて良いが少しは加減しろ」

コーヒーを飲みながら綺麗になっていく皿を呆気にとられながら見ていた。


「オッパが甘い物が好きじゃなくて良かったぁ」


自分のデザートを食べ終わり今度はテギョンの皿を自分の方に持ってきて食べ始めていた。

見る見るうちにテギョンの皿の上も綺麗になりミニョが満足そうに最後の一口を食べ終えた。


「お腹いっぱいで幸せです」

フゥ~と息を吐きながら満足そうな顔をしてテギョンを見た。



さっきからデザートを食べ続けているミニョをじっと見ていたテギョンが突然笑い出した。



「どうかしましたか?」

口に手を充て笑うテギョンに首を傾げながら聞いた。


「さっきからお前を見ていて何かいつもと違うと思って考えていたんだ」

まだ可笑しくて笑っている。


「何ですか?。言ってください」

笑い続けるテギョンにミニョは頬を膨らました。


「お前、撮影のメイク落としてないよな。さっきまではそんなに違和感を感じなかったけどバスローブにそのメイクは・・・合わないよな。食べる姿はいつものコ・ミニョなのに・・・」


テギョンはミニョが着替えている間シャワーを浴びメイクも髪型も落としいつものテギョンに戻っていた。


ワン・コーディが撮影だからと普段のミニョの雰囲気とは少し違う感じに仕上げてくれていた。

撮影が終わった後、鏡を見る機会も無く自分の顔がどうなっているのかも分かってなかった。テギョンに言われ急に恥ずかしくなり急いでバスルームに駆け込んだ。


「早く言ってくれたら良かったのに」


鏡を見ながら頬を膨らませた。


マスカラもアイラインも念入りに入れてくれたのでいつもの自分で無いように思えた。テギョンに笑われメイクを落とそうと備え付けられた石鹸を使い丁寧に落としていった。何度か繰り返し鏡を見てやっといつものミニョに戻ったが逆にコ・ミニョとしてテギョンに素顔を見られることが少し恥ずかしく思えてきた。


「ミナムオッパの代わりをしている時は普段素顔でも恥ずかしいなんて思ったこと無かったのに・・・」

テギョンの前に行くのが急に恥ずかしくなった。出ていかないと呼ばれることは分かっていたのでバスルームを出て窓際に立つテギョンのそばに行った。



「オッパ、何を見てるんですか?」

テギョンと目が合うと恥ずかしそうに直ぐに目をそらし下を向いた。


「恥ずかしいか?。お前の素顔は一年前に毎日見ていたから驚かないから」

下を向きながら恥ずかしそうにしているミニョを笑うとミニョは“少しは女の子として見てくれても良いのに”と口を固く結び頬を膨らませながらテギョンを見た。



「お前は大きな窓があると外の景色を良く見てるだろ。真似をしてみようかと思って」


窓の外を眺めるテギョンの横に立ち一緒に眺めた。



「綺麗ですけどこんなに明るいとさすがに星は見えないですね。アフリカだと外が真っ暗だったから空を見上げると星でいっぱいなんです。オッパに会いたくなった時は空を見上げながら手を伸ばしていたんです。オッパに手が届くかなって・・・。でも帰って来てからは空を見上げる事がなくなりました」


その時を思い出しながら目を瞑り両手を伸ばして見せた。


「どうして今は見ないんだ?」少し不安そうな声で聞いた。


「だって大好きな星は私のそばに居るからです」

そう言った後、照れながら下を向いた。ハッとしテギョンの方を見ると“大好きな星はか・・・”ニヤニヤしながらミニョを見ていた。




「オッパ、私の服はあとどの位で出来上がってくるのでしょうか?」

話題を変えようと慌てて聞いた。



「明日の朝だ」


「エッ!、明日?」ビックリして目を見開いた。


「さっき出して直ぐにでも出来上がると思ったのか?。ホテルの中でクリーニングをしてくれるとはいえそんなに早くは出来上がらないぞ。明日の朝一番には届けてくれる」


さっきまでテギョンと二人でいる事に何も感じていなかったミニョは明日の朝までこの部屋にいる事になったと思っただけで心臓がドキドキしてどうして良いのか分からず下を向いてしまった。


「一緒に寝るか?」

ミニョの肩を抱き自分の方に引き寄せ笑いながらテギョンが言うとミニョは驚いてテギョンを見上げた。


「そんなに驚く事か?、恋人同士なのに・・・。心配するな、お前はベッドルームで寝ろ。俺はこのソファーで寝るから」

ソファーを指差しながら言った。


「駄目です。オッパの方がお仕事忙しくてお疲れですからベッドルームで寝てください。私は体が小さいですしこのソファーでも充分眠れます」

テギョンの言葉が冗談だとわかりミニョは少しだけホッとした表情を見せソファーに座った。


「お前をソファーに寝かせて俺だけベッドに寝れると思うか?」

ミニョの提案を受け入れられないと静かに言う。


「じゃあ、この前みたいに一緒にソファーで寝ますか?」

ソファーをポン、ポンと叩きミニョの隣に座るようテギョンを見上げながら言った。



「それは出来ないから」

テギョンの言葉を聞いてミニョの顔から笑顔が無くなり困惑した表情に変わっていった。下を向くミニョの目からは涙が落ちていた。ミニョの横にテギョンが座わり肩に手を回し自分の方に抱き寄せた。


「泣く事はないだろ、話を聞け。ソファーでその格好のお前と一緒にいて何もしないとは・・・その、俺も男だから約束は出来ない・・・多分無理だと思う。言ってる意味はわかるか?」

言いづらそうに話すテギョンに涙を拭きながらミニョは頷いた。


「あの時は合宿所だしメンバーがいたから俺も冷静でいられたけど今日は俺にも自信がない。だからお前はあっちで寝ろ」

ミニョをソファーから立たせ手を繋いでベッドルームの前まで連れて行きドアを開け中に入れた。

ドアを閉められた後ドアの向こうにいるテギョンを見つめるかのように暫く立っていた。ゆっくりとベッドまで行き綺麗にべッドメイクされたシーツをめくり腰掛けた。


「そばにいたいだけなのに・・・」

ドアの外にいるテギョのそばにいたくてまた涙が出てきた。



ミニョをベッドルームに入れテギョンは冷蔵庫から水のボトルを出し窓際まで行った。ミニョが自分の言った言葉を理解してくれていればきっと出てこないだろう思っていた。


「“一緒にソファーで寝ますか?”だと、俺の気持ちも考えずに・・・。一年間俺がどんな気持ちであいつを待っていたか全く分かっていない」

水を一口飲んで不満そうに口を尖らせ外を眺めていた。



どのくらいベッドに座っていたのか分からない。


「オッパのそばにいたい」


そう呟くとベッドルームを出てテギョンの立っている所まで歩いて行った。怒られてしまうかもと思ったが今の素直な自分の気持ちを伝えたかった。後ろからそっと近づきテギョンの背中に顔を付け腕を回してテギョンを抱き締めた。


「オッパのそばにいたいんです。許可していただけませんか?」


ミニョが戻って来た事にテギョンは驚き動揺していた。自分に回されたミニョの腕を解き振り返ると真っ直ぐ自分を見つめているミニョの姿に目を揺らした。


「さっき俺が言った言葉は分かっていて戻って来たのか?」

静かに少し厳しい口調で言うとミニョは目を潤ませながら頷いた。


「本当に分かっているのか?」厳しい目をしながら聞く。


「オッパが大好きだからそばにいたいんです、駄目ですか?。オッパの恋人にして欲しいんです」

ミニョの気持ちを現わすかのようにテギョンの目を真っ直ぐ見て自分の気持ちを伝えた。


「後悔しないか?」

ミニョが頷くとテギョンはミニョを抱きかかえベッドルームに入っていった。







次回のお話はアメ限とさせて頂きます。内容的には別に限定にしなくてもいいような無いようになるのかもしれませんが・・・。多分次のお話は甘めのお話しになりますが飛ばして読んで頂いても大丈夫なようにその後はミニョの目覚めから始まるようにしようと思っています。

なのでアメンバーでない方は次の一話をみなさんなりにちょっと妄想して頂けると助かります。


お越しいただき有難うございます。


相変わらずお話の進み具合がスローで申し訳ありません。なかなか甘いお話しに辿り付きません。あとちょっとでしょうか?。

もう少しだけ二人のじれった様子を根気良く読んで頂けたらと思っています。


ではお話しに。


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「はぁ~、何もするなって言われても・・・」

テギョンが出て行った個室のドアを眺めながら溜息をついた。料理が落ちて汚れてしまったスカートを見ながら直ぐに拭けば少しは綺麗になるかもとドアが開くのをチラチラと見ながらテーブルに置いてあるおしぼりを手にして拭こうとしていた。




ガチャ♪




「コ・ミニョ行くぞ」

顔だけ出したテギョンはおしぼりを手にしたコ・ミニョと目が合った。テギョンに見つかってバツが悪そうに下を向いているミニョに思わず笑った。


「俺が遅すぎて待ちきれなかったんだな」

怒られると思っていたミニョは意外そうな顔をして持っていたおしぼりをテーブルに戻し自分のバックを手にしてテギョンの所に行った。個室を出るときにテーブルの上に残されたままの料理を残念そうな顔をしながらテギョンの後をついて行った。

スカートの汚れを周りの人に見られないようエレベーターを待ってる間もテギョンの背中に隠れるよう小さくなり“誰にもあいませんように”と心の中で呟いていた。

待っていたエレベーターが来て二人は乗り込んだ。


「俺の後ろに隠れるようにしている方が変だと思うぞ」

後ろにいるミニョを振り返りながら笑っている。


「オッパ、事故を起こしたのに怒らないんですか?」

いつも事故を起した怒られていたので今日もきっと同じように怒られるとドキドキしていた。


「今日の事故は可愛いもんだ。車の上に乗ったお前を追いかけたり、接着剤で指をくっつけた時に比べたらな」

過去の事故を言われミニョは頬を膨らませながらテギョンを見上げた


駐車場まで降りると思っていたエレベーターが直ぐに停まりドアが開くとテギョンが先に降りた。


「早くしないとドアが閉まるぞ」

ミニョの方を向いて降りるようにと人差し指をクィ、クィッと曲げミニョを呼んだ。

慌てて降りた先の長く続いた廊下を見てテギョンの顔を見る。


「オッパが良く使われているお部屋の階ですか?」


「早くスカートを出さないと汚れが取れないだろ?。行くぞ」

ミニョの返事を待たずに廊下をどんどん進んで行く。どんどん離れていくテギョンの背中を見て慌てて急ぎ足でついて行く。


「オッパ、直ぐに帰って明日にでもクリーニングに出しますから大丈夫です」

テギョンに追いつくと腕を引っ張りながら帰ろうとする。


「時間が経てば汚れだって取れなくなる。もう電話をして取りに来てもらうように頼んであるから諦めろ」

ミニョが手を離すといつも使っている部屋のキーをポケットから出し鍵を開けた。ドアを開けミニョに部屋の中に入るよう目で合図をすると渋々入っていった。


「最近泊まってないから俺の着替えも置いてない。我慢してこれに着替えてこい」

バスルームがら白いバスローブを持ってきてミニョに渡した。


テギョンから受け取ると何処で着替えようかと場所を探している。


「ベッドルームを使えばいい、20分後位には取りに来るようになってる。恥ずかしかったら出て来なくて良いから服だけはドアの前に置いておけ。俺が渡すから」


ミニョはバスローブを抱えベッドルームに入って行った。とにかく汚したスカートを出さないととバスローブを羽織りながら脱ぎ始めた。


脱いだスカートを持ってベッドルームのドアを開け、顔だけ出してテギョンを探した。



「オッパ」


呼びかけても返事は無い。スイートルームだから聞こえないと思いドアの前に折りたたんだスカートを置いてベッドに座って待っていた。




トン、トン♪




音に反応してミニョは立ち上がった。


「ミニョ、着ていたシャツは?。折角だから一緒に出せば良い」


ドア越しに言われたミニョは慌ててシャツを手にしドアを開けながら申し訳なさそうに出した。

顔しか出さないミニョにテギョンは笑いながら受け取った。

恥ずかしくてベッドまで戻り座って待っていたがドアの外にいるテギョンが気になってドアに近づき様子を伺っていた。暫くドアのそばに立っていてもテギョンのいる様子が全く感じられない。不安になりドアを開けさっきより自分の体を出してテギョンを探した。





ピンポ~ン♪



「取りに来たんだ」


ミニョは急いでドアを締めベッドの所まで戻った。ドアの外で話し声が聞こえた後、部屋の中でカチャカチャと音が聞こえ再び部屋の中が静かになった。




トン、トン♪




「コ・ミニョ、本当にずっと出てこないつもりか?。そろそろ出て来い」


テギョンに呼ばれ恥ずかしそうにドア開けると目の前には濡らした髪をタオルで拭いているバスローブ姿のテギョンが立っていた。



「何で俺までバスローブなのかって顔をしてるな。撮影にままの髪とメイクだったし時間があったからシャワーを浴びたんだ。お前デザート食べそびれて残念がっていただろ、ほら」


びっくりした顔をしたミニョにテーブルの方を指差しながら言った。

ベッドルームから出てテーブルの上を見るとさっきまでいたレストランで食べるはずだったデザートが並べられていた。


お越しいただきありがとうございます。


今日太陽の前を金星が通過するというのに私の住んでいる所はあいにくの雨です。

ガッカリです。皆さんの住んでいらっしゃる所のお天気はどうでしょうか?

今日はお休みなので用事を済ませこの続きを書けたらと思っていますが家に一人では無いというのがネックです。お出かけしてくれないかなぁ・・・。

面と向かって言えないので心の中で。


ではお話しに。


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思ってもいなかったミニョの反応に呆然としながら見つめるだけだった。いつも不意をついて抱きしめた時のミニョの反応が可愛くて軽い気持ちで手を伸ばしただけだったのに・・・。決して困らせようと思ったことは一度もなかった。ただ離れていると心配でミニョとの距離を少しでも縮めようとしていただけなのにハッキリと拒まれたのは今回初めてだった。今までミニョにやってきた事を思い出し、もしかしたら本当は我慢していたのではないかと不安になってきた。目の前で俯いて立っているミニョに何かを言わなければいけないと思っていても言葉が見つからない。下を向いたまま時間だけが過ぎていく。

折角二人で過ごせる時間をこのまま終わらせる訳にはいかないとテギョンはゆっくりと顔をあげ下を向いたままのミニョを見た。

「困らせるようと思ったことは一度もないんだ、お前の気持ちを考えていなかった俺が悪い。俺はお前の笑った顔だけでなくちょっと怒った顔も睨んだ目もすべて愛おしくて思えて仕方がないんだ。人前ではなかなか普通の恋人同士のように出来ないからつい・・・そのお前を困らせてしまうような事をしてしまっていたのかもしれない。どんな時も自分勝手で我が儘な俺を許してくれるお前につい甘えていたのかもしれない。お前の気持ちが分かっていない俺はお前の恋人として失格なのかもしれないな。いつも泣かせてばかりですまない」


ミニョの知っている人前で堂々としているテギョンとは思えないほど言葉に力が無く予想外の言葉にテギョンを傷つけてしまったのではないかとミニョは心配になってきた。



「失格だなんて・・・言わないで下さい。私の方こそ言い過ぎました。オッパはいつも私の事を大事にしてくださってるのは分かっているのに。離れていた期間を考えると今そばにいられるだけで幸せな筈なのに、そばにいるのが当たり前になってくるともっとオッパに優しくされたいとつい我が儘になってしましました。手を繋ぐのもオッパに抱きしめられるのも・・・その嫌いではないです。オッパといるだけでドキドキする気持ちは今もずっと変わりません。でも・・・」

恥ずかしいながらもテギョンに自分の気持ちを一所懸命伝えようとしていた。


「でも?・・・」

その先に続く言葉を聞きたいとミニョに思い優しく話しかけた。


「人の目に付くような所では辞めて頂けたらと・・・。もし誰かに見られて写真を撮られてしまってはオッパやシヌヒョン、ジェルミ、ミナムオッパや会社の方にも私の事でご迷惑を掛けてしまいます。その事でオッパのそばにいられなくなるのはもう嫌なんです」

最後は言葉が聞こえなくなるような小さな声で下を向きながら呟いた。

人気アイドルグループが故にスキャンダル一つ出るだけで大きく取り上げたれ記者から追いかけられる事も充分分かっているからだ。

「わかった、約束する」

テギョンの言葉を聞くと下を向いていたミニョがゆっくりと顔を上げて少しづつテギョンとの距離を縮めてきた。テギョンの背中に自分の腕を回してそっと抱きしめた。


「オッパ、我儘な私の事呆れていませんか?」

テギョンを見上げるようにして問いかけた。



「我が儘なのは俺の方だ。俺はお前のそんな所も好きだ。お前はいつも我慢してしまうから思っていることは必ず言ってくれ。お前が俺の前からいなくなるとどうして良いのか分からなくなるから」

ミニョの髪を撫でながら優しく抱き締めた。




「そろそろ席に着こう。料理が来る頃だ」

ミニョの背中から腕を外し先に席に向かって歩いていこうとするとミニョがジャケットの裾を掴んでギョンを止めた。


「どうかしたか?」

不思議そうな顔をしてミニョを見ると恥ずかしそうにしながら自分の手を差し出した。


「オッパ、席まで連れて行って下さい」

微笑んだテギョンは差し出されたミニョの手を握り席まで連れ行った。


二人が席に着き話をしていると最初の料理が運ばれてきた。少し前に二人がこの店に来たとは全く違った料理が出てきてミニョは“前と違う”と嬉しそうに眺めていた。そんなミニョを見ながらテギョンがウエイターにワインを頼むとミニョが首を傾げて聞いてきた。


「オッパ、車でいらしたのに飲んでも平気なんですか?」


「車は置いて帰れば良い。今日はお前へのご褒美だ、飲み過ぎるなよ」


「大丈夫です。明日もお仕事ですから1杯だけにしておきます」

いつもはミニョがお酒を飲むことすら嫌な顔をするテギョンだったが今日は自分と一緒だからと珍しく許してくれた。


二人はゆっくりと食事をしながら今日の撮影の話をし始めた。


「そう言えばワン・コーディに監督から電話があったら連絡するって言われていたけどあれはどういう事なんだ」

合宿所に戻って来た時、車の中での話を思い出した。


「オッパとの撮影の後、私は残って一人のシーンを撮ってもらってましたよね。CMではどの部分を使うかまだ決めてないから使うシーンによっては私に確認をしたいとおっしゃっていました」


「確認?」


「何でしょうね?。多分電話は掛かって来ないと思います。後ろ姿だけですからミナムオッパにも気づかれないとは思います。それに一人のシーンも飛行機が入るようにとおっしゃてましたから私の姿なんて殆ど分からないと思います」

お腹が空いていたのか休む間も無く手を動かしながら答えていた。


「そうだと良いけどな」

テギョンはモニター越しに見たミニョの姿を思い出した。

「オッパに聞きたかったんですけど、私との最後の撮影で内緒にしていたシーンがありましたよね?」


「あぁ、別れの挨拶か?」

ミニョのびっくりした顔を思い出したように笑い出した。


「あれは本当に最初から決まっていた事ですか?」

ミニョが驚かないようにと最後まで内緒にしていたとは言っていたもののいつものテギョンの行動を考えればミニョを驚かそうとしたのでは無いかと少し疑っていた所もあった。


「俺が代役がお前だからやったんじゃ無いかと思ってるんだろ?。監督が言ってただろ、最初からやるとお前が緊張するから内緒にしてもらったて。俺は別にリハーサルからやっても良かったんだ。まぁ今思えばあの一回で良かったな。お前の驚いた表情は一度で充分だからな」

その時を思い出したようにテギョンは笑った。


内緒にされていたのがちょっとだけ面白くなかったがテギョンの言う通り最初に聞いていたら撮影の間中ドキドキして上手く出来なかったのかもと納得していた。


「私だったから内緒だったとおっしゃいましたよね。もしヘリミssiが事故に巻き込まれずに撮影にいらしていたとしてもそのシーンは同じようにあったんですよね」

返される返事が怖かったがどうしても気になり勇気を出してテギョンの顔を見ながら聞いてみた。


言葉の代わりにテギョンは頷くだけだった。


ミニョがミナムの代わりにMVを撮った時、テギョンがユ・ヘイとのキスシーンを目の前で見ていた時に仕事だと分かっていながらも辛かったことを思い出した。この先もテギョンが仕事をしていく中できっとまた目にすることがあるかもと思うと胸が苦しくなった。それでも平気な振りをしようとフォークで掬った料理を口に運ぼうとすると


「ただお前の耳元で言った言葉は俺が勝手にやった事だけどな」

ミニョの手が止まり口をポカンと開けているのをチラッと見た後テギョンは平然とし料理を食べ続けていた。


「コ・ミニョどうした?」

動かないミニョが可笑しくて笑いながら呼ぶ。

自分の名前を呼ばれ料理を口に入れようとした途端フォークから料理が落ちてしまいミニョの膝の上に落ちた。


テギョンは笑いが止まらず声を出さないように口に手を充て下を向いていた。


「オッパ・・・」

怒った顔をしているかと思ってミニョを見ると泣き顔になって直ぐに膝の上を見ていた。


「落とした位で泣くことはないだろ?。ナプキンあるから大丈夫だろ?」

テギョンの言葉にミニョは首を振り下を向いたままだった。


不安になったテギョンは席を立ちミニョのそばへ行き膝の上を見るとあるはずのナプキンは足元にすべり落ちアイボリーのスカートの上には口に入るはずだった料理がそのまま落ちていた。


「何もするな。ちょっと待ってろ」

料理を取り除きシミを拭き取ろうとするミニョの手を押さえた後テギョンは個室から出て行った。

一人残されたミニョは“また事故を起こしてしまった”と情けなくなりテギョンが出て行ったドアを見つめていた。