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今回のお話で”ジェルミとの約束”は終わりとなります。
現在、アメンバーさん限定のお話を同時に書いていますがそのお話が終わってから(あと2、3話位になると思います)“☆星のそばで☆ 64”を別のテーマでアップしたいと思っています。
来週中には限定のお話が終わるように頑張って書きたいと思っています。


ではお話に。


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テギョンが帰ってしまい一人になったミニョはソファーに座りジェルミが録画してくれた歌番組が始まるのを待っていた。放送日に一度見ているが“A.N.JELL”のメンバーの姿が画面いっぱいに映り演奏が始まるとミニョの胸の鼓動はドンドン早くなってきた。

「どうしてこんなにドキドキするんでしょう?。歌う時のオッパとさっきまで一緒だったオッパとは雰囲気が違うからでしょうか?」
苦しくなって目を瞑り両手で胸を押えた。他のメンバーに画面に映るとミニョはホッとしたように大きく息を吐いた。

「オッパのファンの方はどんなオッパの姿が大好きなんでしょう?。私は全部、全部好きですけど特に怖がりのオッパが大好きです。そんなオッパが好きだなんて言ったら怒られてしまいそうですが。何でも出来て歌う姿の素敵なオッパがウサギが苦手で暗闇でビクビクされるなんてファンの皆さんは知りませんもの。私だけが知っているオッパの秘密です。」

父親の墓参りに付いて来て迷子になったテギョンを探し、暗くなるまで歩き回った時の事を思い出し嬉しそうに画面を見ていた。

歌が終わると見逃していたCMが流れると思い、ソファーで姿勢を正し緊張しながら画面を見つめていた。

CMに入るとミニョが事前に見せて貰った映像が流れ始めテギョンの低く甘い歌声が流れてきた。
初めて聞くテギョンの歌声より一緒に撮影をした時の事を思い出しテギョンに抱き締められビックリした事、一人で音楽を聴きながら泣いてしまった事、撮影後初めてテギョンと過ごした夜。CMを見ようと思っていたのに色々な事が頭に浮かんであっという間に終わってしまい気が付いた時にはミナムが画面に映り歌を歌っていた。

「あぁ~、良く見てなかったぁ。でも今回はジェルミのお陰で何度でも見れますから安心です」
巻き戻りをしてCMの所から見直すことにした。

「今度は目を瞑っていればオッパの歌だけに集中できます」
再生ボタンを押しミニョは目を瞑ってテギョンの歌を聞いていた。


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     どんなに遠く離れていても いつも君の事だけを思っている
         会いたくて寂しくなったら夜空を見上げ
         一番輝く星を掴むよう両手を伸ばして
         僕の事を思い出して欲しい
         2人で過ごした時間は消えることは無いから
         必ず君の元に帰ってくるよ
         その時まで僕の事を忘れないで

    ・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

初めて聞いたテギョンの歌にミニョは手で口を押さえ目から自然と涙が出てきた。

「この歌まさか私に・・・。偶然ですよね」
CMで遠く離れていく恋人を見送り思い出の曲を聴きながら恋人の事を考えているシーンに合わせてテギョンが作ったと分かっているがミニョは自分に向けてテギョンが作ったのではないかと一瞬思ってしまった。何度も繰り返しCMを見ているとだんだん寂しくなりテギョンに会いたくなってきた。

「さっきまで一緒だったのに」
無意識に目の前に置いていた携帯電話を手にしてテギョンに電話を掛けていた。最初の呼び出し音が鳴ると急に電話を切って首を振った。

「寂しくなったら星を見れば良いんです。直ぐにオッパに電話をするのは駄目です」
窓からは輝く星が見えないと分かっていたが今はテギョンを思い見ずにはいられない。リビングの明かりを消してみても外の明かりが邪魔をして星が見えない。星の見えない暗い空に向かって両手を伸ばした。
後ろの方でミニョの携帯の着信音が鳴った。慌ててリビングに戻り画面を見るとテギョンからの電話だった。

「オッパ、どうされました?」

「どうって、お前が電話したのに直ぐに切っただろ?」

「呼び出し一回でも履歴が残るのをすっかり忘れていました。もう大丈夫ですから気にしないで下さい」
まさかテギョンから電話が掛かってくると思っていなかったので申し訳なさそうにミニョは言った。

「大丈夫なら良いけど気になるからどうして電話してきたのかだけ教えてくれ」

「・・・・・・」

「コ・ミニョ聞こえているのか?。返事をしろ」
何も言わないミニョにテギョンはイライラし声を荒げた。

「・・・寂しくなってオッパの声が聞きたくなったんですけど・・・。もう本当に大丈夫です。こうやって聞けましたから」

「声が聞きたかったら切らずに待てば良かったのに。俺から電話が掛かってくるのを待ってたのか?」

「いいえ」
テギョンと一緒に撮ったCMで歌を聴いて星を見れば大丈夫だと思ったと説明した。すぐにはテギョンはミニョの言ってる意味が分からなかったが頭の中で歌詞を思い出しミニョの言ってる意味が分かった。

「あの歌はお前を思って歌詞を書き直したものだったからな。まさか本当にお前と一緒にCMに出るなんてその時は想像もしていなかった」

「そうですね、この先無いでしょうね。でもオッパが歌詞に書かれているとおりどんなに離れていても大丈夫だと思ってますから。私、オッパの事信じてます」

「お前もどんな事があっても俺を待っててくれよ」
これからどんなに辛い事があってもミニョはテギョンだけを信じていれば大丈夫と改めて思い電話を切った。
合宿所の自分の部屋で電話をしていたテギョンはCMを目にする機会が少なかったので歌の事は忘れかけていた。ミニョに言われ恥ずかしくなったがミニョに対する自分の素直な気持ちだっただけにミニョが気付いてくれた良かったと思った。

「あの歌はもともとあいつの為に作ったようなものだったからな。アン社長が何と言ってこようとも表に出すことは控えよう」
椅子に座り目の前にある白紙の楽譜を眺めると頭の中にメロディーが浮かびテギョンの手に握られた尖った鉛筆の先でスラスラと音符が書かれていった。






「テギョン、ちょっと良いか?」
翌日、事務所に顔を出すと廊下でアン社長に呼び止められ無表情で頷いた。

「今月末の夏フェスの件宜しく頼むな。屋外で暑いのが苦手なお前には大変かも知れないがいつものライブより歌う曲数も少ないし時間も短いから何とか頑張ってくれ。アルバムが発売になって直ぐだから夏フェスに出て売り上げが更にグーンと伸びてくれると嬉しいだろ?。ついでに会場でお前達が直々に販売するのはどうだ?」
冗談半分のように言うとテギョンがアン社長をキッと睨んだ。

「俺達はライブを頑張りますから販売はライブに出ない社長が会場でやってみてはどうですか」

「それは考えとくよ。夏フェス翌日の休みの件は聞いてるか?。マー室長が外でのライブでいつも以上に疲れるし移動もあるから休みにしてあげたいと言ってたぞ」
初耳だとテギョンは首を振った。

「休みを貰えるのは有難いのでそうさせて貰います。詳しいことはマー室長に伝えておいて下さい」
テギョンはそう言うと練習室に向かって歩いて行った。

練習室のドアを開けると三人は既に来てテギョンを待っていた。ソファーに座ってパソコンを触っているジェルミの横に座り横目で画面を見ると昨日ミニョと出掛けた時の写真を見ていた。

「見て見てテギョンヒョン結構撮られてたんだよね。でもミナムにしか見えないでしょ?。こっちも見てよ、ミナムは昨日撮られぱなしだったみたいだね。ミナムさぁ、ヘイssiはお前と一緒の所を写真に撮られて平気なの?」
ジェルミに言われ画面を覗き見るとユ・ヘイと一緒にいる所を何枚も撮られていたが二人は全く気にしている様子が無かった。

「嫌だったら昨日みたいに誘ってくれたりはしないでしょ?。何事にも積極的になるのが良いって事だよ。ジェルミも積極的にアピールしたらもしかして誰かが振り向くかもよ」
ミナムの言葉にテギョンは面白くなさそうに口を尖らせた。

「そうだテギョンヒョン、夏フェスに参加する日に花火が上がるって知ってた?。マー室長が次の日休みにしてくれたからその日むこうでパーティーしようよ」
テギョンは面倒くさいと首を横に振りやりたいやつだけやれば良いと言った。

「ミナマ~、ミニョは花火見たことある?。夏フェス週末だからミニョ見に来ないかな?。会場が遠いからライブを見るのは無理でも後から来て花火見るとか・・・無理かな」
ミナムに聞いているが視線はテギョンをチラチラと見ていた。

「どうだろう?。無いかもね。行けるかどうか聞いてみれば良いじゃん」

「俺が?。テギョンヒョン掛けても良い?」
恐る恐る横にいるテギョンを見ると口を尖らせ渋々頷いた。

「ジェルミ、俺に気にせず掛けてみれば良いだろ?。後はミニョが何と言うかなんだから」
ジェルミは嬉しそうにミナムを見ると早く掛けてみればと目で合図をするとポケットから携帯電話を出しミニョに電話を掛けた。何回か呼び出しするとミニョの声が聞こえジェルミは嬉しそうにテギョンの方を見た。

「もしもしミニョ?。今話しても大丈夫?。皆を代表して電話してるんだけど月末に俺たち夏フェスに参加するんだけどその時花火が上がるみたいなんだけどミニョと一緒に花火を見たいなぁと思って。勿論、テギョンヒョンも了解済みなんだよ。どうかなぁ?」

「本当の花火は一度も見たことも無いので行きたいと思いますがお仕事お休み出来るか・・・。オッパは本当に行っても良いとおしゃってますか?」

「良いって言ってるよ。だってテギョンヒョンがミニョに電話してみればって言ったんだよ」

「そうですね・・・」
テギョンが大丈夫と言っていると聞いてもミニョは半信半疑な返事を返してきた。

「じゃあ、ちょっと待って。隣にヒョンがいるから直接に聞いてみてよ」
ジェルミは信じてもらえず悲しそうな顔をしてテギョンに自分の携帯電話を渡した。

「もしもし、俺だ。掛け直す」
テギョンはミニョと一言話すと直ぐに電話を切ってジェルミに返し、自分の携帯を持って練習室から出て行った。
電話を切られたミニョはテギョンの声が聞こえなくなった自分の電話を呆然と眺めていた。ジェルミは電話を受け取ると目をパチパチさせながらテギョンの後姿を見送っていた。

「ヒョン、ミニョと話しているのを聞かれたくないんだよ。ジェルミ、ヒョンを追いかけよう」
ミナムはジェルミを誘って練習室を出て行ったテギョンを追いかけた。二人の行動を呆れた顔をしてシヌは見ていた。

廊下に出て話をしているテギョンを柱に隠れてミナムとジェルミは様子を窺っていた。
二人には背中を向けて電話をしているが声のトーンからいつもと違うとテギョンを興味深く見ていた。

「電話を切って悪かった。ジェルミが言ってた話だが花火見に来るか?。昼間はライブだからお前の相手は出来ないが夜は一緒にいられると思うから」

「本当に私が行ってオッパは困りませんか?。皆さんのお邪魔になったりしませんか?。オッパが行っても良いとおしゃって下さるなら見に行きたいです」

「困ったりするならジェルミだって電話したりしない。後はお前の仕事が休めるかどうかだろう?。返事は直前で良いから。じゃあ、また後でな」
ミニョとの電話を切るとテギョンは電話に向かってニッコリ笑うと練習室に戻っていった。

柱から見ていたミナムとジェルミはテギョンがいなくなると顔を見合わせありえないと繰り返し言っていた。

「テギョンヒョン、ミニョと話す時ぜんぜん違うんだね。いつも不機嫌なのに・・・。ミニョが来たら絶対二人になることを阻止しなきゃ」
ジェルミはミナムに宣言をして練習室に戻っていった。



「なんだよ、これ~」
ミニョとカレーを食べに行った日から数たった日、リビングでジェルミの悲鳴のような声が響き二階から降りてきたシヌが驚いてジェルミの元に歩いていった。遅れてミナムも降りてきて3人か見ていたのはジェルミのパソコンに貼ってあったミニョと一緒に撮ったプリクラの写真だった。
写真を見たシヌとミナムは笑い出しジェルミは頬を腕を組んで頬を膨らました。

「ジェルミ、いつの間にか髭がはえてるよ」
笑いの止まらないミナムを見ながらジェルミは二階を眺めているとゆっくりとテギョンが降りてきた。

「テギョンヒョンでしょ?。落書きするなんて・・・」
ジェルミを横目で見た後、冷蔵庫から水を出して飲み始め知らん顔をしていた。

「ヒョン、シール一枚じゃないからね」
ジェルミは自分のノートパソコンを大事そうに持って二階に上がって行った。テギョンが“何度でも貼り直せ”と呟いたのは聞こえていなかった。シヌはテギョンの意外な一面を見て声が漏れないように苦笑いしていた。