同居していると、毎日の生活の中で家族の認知症が進行しつつあるのは

嫌でも感じるものです。

 

母の場合、私がご飯を作っているのに買い物に出かけてお惣菜を買ってきたり

午後の3時頃、いきなり晩御飯を食べるように強要したり

一緒に買い物に出かけると、不意にいなくなったり……。

年のせいだと思いつつも、認知症の進行を認めざるを得なかった事が日々ありました。

 

ある夜のことです。

私は2階の自室にいたのですが、

なんとなく焦げ臭い匂いがして下へ降りました。

家の中は何ともなかったのですが、居間の窓から外を見ると

そこで焚火をしている母の姿がありました。

そこは、庭から居間に入る沓脱石の上です。

ちょっと火が大きくなれば家が燃えてしまうような場所。

日頃、できるだけ優しく接するようにしていた私ですが

さすがにその時は怒鳴りました。

「何をしてるの!」

と言いながら水をかけて火を消しました。

話を聞くと

「暗かったから」

と……。

 

多分電気の点け方がわからなくなったのでしょう。

次の日父にそのことを話すと

「困ったもんだなぁ」

と他人事のように……。

父はそんな母から目を背けて、全部私に押し付けていました。

 

でも、今じゃ、あんたのことだよ!

これが私の本音です。(毒娘)